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doll
【同性愛♀ 官能小説】

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doll U-1

 智花は裕奈が何やら物音をたてていたのでそれで目が覚めた。カーテンの隙間から朝日が差し込んでくるのを見て智花はホッとした。
『裕奈。おはよう』
 ベッドから起き上がり、身体を伸ばしながら智花は裕奈に近づいた。
『智花。おはよう。ごめんね。起こしちゃった?』

 裕奈はいつもみたいにキッチンにいた。毎日の食事の用意は裕奈がすべてやってくれているので智花は申し訳ないなと思っていた。
 ただいつもに比べて時間は早いし、よく見ると今日の裕奈はお洒落な格好をしていた。智花は不思議に思った。
『どうしたの?裕奈、今日はやけに早いね』
 すると裕奈は調理中だった手を止め、少し考える仕草をした後智花に向き直った。
『智花。今日は二人でデートでも行かない。ほら、天気もいいしね』
 裕奈の顔は真っ赤になって、声も裏返っているし、目線もおぼついていなかった。夜は散々智花を人形のようにして遊んでいる裕奈も、日が出ているうちは途端におとなしくなってしまう。智花はそんな裕奈の様子に呆れつつも少しばかり愛らしいとも思う。
『デート?そっか。それで裕奈、今日は早起きしていたのね。でもいいの?二人でなんて。湊が知ったら怒られるんじゃないの。独り占めしたいくらいにあたしのこと好きなんだ』

 珍しく智花がからかっていると、裕奈は顔をさらに真っ赤にしてしまう。
 裕奈が言葉を詰まらし、その様子を智花がおもしろそうに見ていると、もう一人の声が裕奈に向けられる。
『それはもう大好きなんだよね?裕奈』

 智花と裕奈が話しているといつ起きたのか、湊が割り込んできた。
『湊。おはよう。今起きたの?』

『まあね。朝から熱々の二人の会話聞かされていちゃ、寝ていても起きるって。おっ。朝ご飯のいい匂い。相変わらずおいしそう』
 湊はテーブルに並ぶ料理に目を奪われる。彼女は朝も夜も性欲三昧ではあるが、食に関しても欲が強い。そのくせ食べた分の栄養はみんな胸ばかりにいってしまって智花も羨む体質だった。

 キッチンのほうからの食欲をそそる香りにつられて湊が来た。そして思い出したように裕奈に言う。
『あっそうそう。行ってくれば?デート。あたしはちゃんとお土産持って帰ってくれば文句言わないから。』
『あれっ?珍しい。湊なら絶対あたしも行くっていうと思ったのに』
 智花は意外そうに湊を見ながら言った。それは裕奈も同じのようだった。
『湊。いいの?』
 裕奈は確認するように湊に聞いた。
『いいの。いいの。今日くらい二人でラブラブしてきなさいって』
 不安そうな顔を浮かべていた裕奈だったが、湊の話を聞いて急に笑顔になる。
『じゃあ湊のお言葉に甘えてデート行こうか、智花。湊にはお礼として今夜の夕食リクエスト聞いちゃうから』
 湊のあっけらかんとした態度に安心したのか裕奈は嬉しそうに言う。
『うん。ありがと。じゃあ食べようか』
 三人はテーブルを囲むように座る。
『せーの。いただきまーす』


『doll U』


 休日の午後。街の中もたくさんの人が行き交う。もちろんその中にデートを楽しんでいる二人もいる。
 智花と裕奈は駅前のショッピングモールを歩いていた。新しくできたお店ばかりで地元からしばらく離れていた智花の知らない場所。
 裕奈はそんな智花を案内してあげたいと提案したのが今朝のデートだった。


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