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アンブレラ
【二次創作 恋愛小説】

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アンブレラ @-1

今、俺は故郷から東京へ帰るために電車に乗っている。
「たまには顔を見せろ」と親父に言われ、せっかくだから帰ってたのだ。
俺は最初は嫌だと思ったが、街の様子が気になったので承諾した。
家に着いた後、夕飯の準備ができるまで散歩をすることに。
そのついでにいろんな場所を一人で歩いた。
東京の大学に入り2年が過ぎていたが、意外と変わってるところはなかった。 「あの本屋、まだあったのか……」
そんなことを言ったりして、気付いたら昔よく遊んでいた公園に着いた。
「変わってないな、ここも…」
よく友達と遊んでた。それこそ、日が暮れるまでだ。

しばらく辺りを見回すとあるものが見えた。
「あれは……」
それはただのベンチだった。レモン色で角が少し欠けてる以外は。
だけど、この公園では一番の想い出深いものである。
「あそこで手、繋いだんだよな」
そう、あそこは高校の時に付き合ってた彼女との想い出のベンチだ。
あの時は、お互い気恥ずかしくて、手すら握れなかった。
だけど、あのベンチの上でなら、なんか自然に繋げたんだ。ギュッと強く。
「懐かしいな、なんか」
その日の出来事を日記みたいに聞かせてくれた君。
頭を撫でればうれしそうに頬を染める君。
だけど、進学するにあたり別れなくてはならなかった。
お互い、離れるのが我慢できないからだ。
だから俺はまだ好きな君に「ごめん」って告げた。


ぼーっとしてたらいつの間にか暗くなりかけていた。もう夕飯も出来ているだろう。
俺は一旦家に帰った。


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