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淋しい嘘
〜私は誰も愛さない〜
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淋しい嘘
〜私は誰も愛さない〜
-2

〜本編〜
星編
「好き。今日も、明日も、明後日も、ずーっと。あなたがすきなの。愛してるよぉ。よーくん」
「愛している。でも別れたい」
「何で」 「何で」 「何で、私を一人にしないでよー」

洋君の夢だ…また見てしまった。あの人は死んだ。父親がいない、実の母も死んだ私には誰もいない。何でこうなるの。そして…まあ、このことは知らなくていい。私も、誰もね。
誰からも愛されずに生を受けて、実の父を知らずに生きてきたなんて…もしかしてあの子の運命はかつての私と同じなの?私もこうだったの?何故私と同じ道をたどるの?
私はこんな状態で、あの時からいつもひとりで生きている、少なくとも外見上は。私の心の中ではいつもあの人に依存して。あの人を愛して…まだこれからも当分、無駄に生きる日々が無駄に続いていく。どんなに辛くても。

「フフフ」 またしてしまった。一回限りのお遊びの恋。出会い系サイトとかナンパで手に入る、つまらない遊び。でも、愛なんてものにはもうのめり込めないから、いいやって思う。家族のためにも、仕事のためにも、自分のためにも生きられなかったから。何もかも捨てたいから。自分自身で私のこころ(精神)を、プライドを傷つけてまた私を堕落させている。どこまでも、そして際限なく永遠に。
だって、洋君以外なら全部同じだし。
誰か許してって思うよ、助けてって思う。時には殺してと。
何故あの時神様は私にあの子を授けたのかと憎らしく思う。
だけど、私は一人では生きていけないし、自分で自分を殺すようなある意味では強い意思なんか存在しないし…あの子が憎い訳じゃないしさ。
「あはは、変なの」
今のところ、私が生きるためにあの子を生かし続けている。

山気編
「前原さん、前原星さんは何であんなに若くて美人なんだろ。部長、あの人って何歳なんです?」
「ハッハッハ、それは企業秘密の部外秘なのでね、教えられんのだよ」
部長にはわかっていた。若くして・・・となった女性だが、この人を本気で愛する人はいない。みんな興味本位でしか見ていないのだ。子供もいるし仕方がないのか、と思う。
何故だか、この若くて美人で頭のいい才女は、あまり幸せにはなれないらしい。
家庭も選べず、仕事も選べず…愛されず。
「よおっ、前原君。今日は00社××氏との会見だ」
「はい部長。かしこまりました」
ま、色眼鏡で見なくともこの人は仕事ができるし、それだけで充分か。
今日も、この会社に平穏無事な日常が訪れる。

カイラ編
「あたしは前原界羅、ママと二人暮し、みんなと同じ小学5年生の女の子でーす。界って呼んでね。よろしくねえ」
今日もまた、いつもと同じ自己紹介をする。ママは総合職だし、転勤族だから…きっとこの町も長くいない。あたしの見当だと3・4ヶ月程度だな、その間だけ仲良くなる無数の子供たち…ママはシングルマザーだし、働いてんのは金のためだしさぁ。
また界の新生活がスタートした。

「ね、ねーねー、でしょう」「うんうん、そうだよね」「わかる」
「ねぇ、みんな、どうしたの?」
ま〜ただよ。ふぅ。物珍しさからかあたしで騒ぎ、そのうちあたしに飽きる。いや、慣れるというのか?
「あ、界ちゃん。界ちゃんてさ譜君と似てない?」「見た感じそっくりなのよ」「似てるー」「エーうそっ。すごいすごーい」
小さいことを大げさに言ってんだろうなと思いつつ聞いてみた。
「フクン?」
「そう、しば ふ。斯馬 譜って名前なのよ」「外人の子」「そっちそっち」「座ってる子」
そこには、私と…そっくりな男の子がいた。
「んー、私って平凡だから、似た顔いっぱいいんのよ」
「へー」
平凡なんて嘘。そんなことはない。私と似すぎている。あれは誰だ。まさか、ねぇ…


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