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「宇受賣神社の巫女」
【その他 官能小説】

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「宇受賣神社の巫女」-4

「ご覧ください、このように清めてございます。」
 村長が丸い鏡を取り出して、那美に見せる。思わず顔を背けようとして、美沙子に叱られた。
 しぶしぶ見た鏡の中に、幼女のような無毛の割れ目が映っていた。わずかに盛り上がる恥丘に、亀裂がまっすぐに走っている。脚を大きく開いているため、大陰唇がわずかに口をあけ、ピンク色の小陰唇が覗ける。
「これで禊は終わりました。さあ、本殿に参りましょう。」
 美沙子がそう言うと、村人たちが石段に向かい、各段の両端に一人ずつずらりと並んだ。
「あの…、着物は…?」
「巫女装束は全ての儀式が終わったら、お渡しいたします。それまでは、何も身につけてはいけません。」
「全ての儀式って…。」
「これから、三日三晩続きます。」
「三日三晩…」
 那美は泣きそうな顔になった。これから三日間、どうやら全裸で過ごさなければならないらしい。
「さあ、早く参りましょう。」
 美沙子に先導されて、那美は胸と股間を庇いながら、ずらりと並んだ村人の列の間を通って、百八段続く石段を登って行った。

 禊のあと、朝食を挟んで、那美は美沙子から渡された教典を読み、昼になると、指定された社や祠を順番に巡って祝詞を捧げていくよう指示された。
 社や祠は山のあちらこちらに点在している。登山というほどではないが、結構きついハイキングといった感じだ。まだ暑いという気候ではなかったが、素肌が汗でびっしょりになる。もちろん、一糸まとわぬ姿のままだ。時折、木々の間を抜けて行く風が胸や恥部にひんやりと触れ、自分が素っ裸であることを再確認させる。
(えーっ…、結構、人がいるじゃない…)
 那美は泣きたくなってきた。この神社、辺鄙な所にあるにもかかわらず、意外に参拝者がある。観光地というには程遠いが、それでも地元の氏子だけではなく、旅行客が立ち寄ることが稀ではないらしい。中にはツアーらしい団体までいる。
 境内にいる人と出会いそうになると、逃げたり隠れたりしながら、那美は出来るだけ人目のない所を選んで、参道を進んで行く。
 山腹の少し開けた所に社がある。規模は本殿に次ぐ大きさだが、主祭神の社で、宗教的な意味合いは、本殿よりも高いと言う。
 そこに向かう寸前で、那美は足を止めた。
 社の方から大勢の人の声が聞こえる。団体が参拝しているらしい。ここで出て行ったら、その人たちに全裸姿を晒すことになる。
(お願い、早くどこかに行って!)
 那美は祈るような気持ちで社を見た。しかし、那美の願いも空しく、ガイドらしい老人が神社の由来か参拝の作法か、何かを講じている様子で、団体は一向に動く気配がない。
(どうしよう…)
 那美が木立の陰でもじもじしていると、団体のうちの一人が、ふとこちらに視線を向けた。
「おい、見ろよ!」
「あの娘、素っ裸だぞ!」
 社に向かって、ガイドの老人の話を聞いていた人たちが、那美に気づいて、一斉に騒ぎはじめる。好奇の視線を向け、ニヤニヤしている者もいれば、驚いた表情で騒ぎ立てる者もいた。
 もはや那美は、進むしかなかった。両手で胸と股間を庇い、全身を真っ赤にさせながら、一歩ずつ社の方へ向かって行く。
まぶしい日差しが那美の一糸まとわぬ素肌に降り注ぐ。
「これは、これは、巫女修行の乙女でいらっしゃいますな。」
 ガイドの老人が、那美に深々と頭を下げた。
「みなさん、いやらしい目で見てはなりなせんぞ。この御方は、この神社の巫女になられる御方であらせられますぞ。」
 老人が大声で仰々しく講釈を始めた。それを耳にして、付近にいた人たちも、何ごとかとばかりに集まってくる。
「この神社の主祭神は、古事記にも見られる彼のアメノウズメノミコトであらせられます。この神社の巫女はただ一人。アメノウズメノミコトの血脈にして、その生まれ変わり…」
 老人の説明を聞きながら、参拝客らは全裸の美少女に好奇の視線を浴びせる。それは、必ずしも神聖なものを崇める視線とは言い難かった。


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