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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 第七章-3

最初に交戦を始めた1チーム目は不意を突かれたらしくあっさり深手を負わされ、一人が死亡…一名が重傷で、一名はかすり傷程度。
やはり治らない傷に戸惑い苦しみ、今まで不要と思われていたが昨日急遽立ち上げられた治療班を待っている…

2チーム目はさっき到着して、まだ無事な1チーム目の1人を先頭にして組織との交戦を始めていた。

交戦といってもかなり一方的なもので、相手は多く遠くから銃を使っていて、踏み込んでも至近距離では刀を使い一度離れたらまた銃も使う…と攻め込むことが難しい状況だ。

到着するやいなや、椿はちょっとビルの壁の後ろに下がった前線まで駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」

まだかすり傷程度しかない男が椿をチラっと見ては、また組織の方を睨みつける
「応援ありがとう!こちらは見ての通りの状況だ…
注意すべきはあの銃、そして刀も一部傷が治りにくい感じがある。
まともに喰らったら…多分やばいだろう…」

場はかなり緊迫している。

椿の合図でそっと椿の元に寄るシルディア…
そこに椿が、転がっていた大きめの石を渡す

「前に俺にやったアレ…出来るか?」

その問いにコクンと頭を垂れる
「やってみる!」

気配を殺しつつそっとビルの陰から敵を見定める…
そしてポイっと石を外へと飛ばす

サっとビルから身を出したと思うと宙に舞う石に脚を振りかざす!!!
足技用に先っちょを硬めにしたシューズの真の部分から蹴る瞬間にちょっと良い音がする

勢い良く飛び出される石
その石、まさに弾丸の様!

ゴッ!!

残念当たらず…
組織の男の足元に石がめり込む!

一緒にいた1チーム目の男がソレを見て驚く。
この技は、以前修行中にシルディアがかなり遠くから何も気付いていない椿の頭に、直撃させ体ごと跳ね飛ばしたという
可哀想な椿という実験台が身をもって体験したシルディアの気功を使った必殺技の一つである。

そこに老師から連絡が入る
「治療班が到着したぞぃ!
いくらなんでも多勢に無勢、こっちは装備もまだまだじゃ
一時撤退を命ずる!」

皆、正義感も芽生えていたし、仲間も負傷、そしてハロルドのことと…全員、撤退は口惜しかったが仕方なくそこから退却をする…。

それらのためにも、勝てる見込みもないのにここで犬死は出来ないのだ…

シルディアはその身軽さで相手の攻撃の目を引きつつ、石を蹴り反撃。
それを椿がサポート

そしてその間に皆は撤退の準備をしている。

すると…

どこからか聞き覚えのある声が…
と、同時に急に組織の攻撃が止む。


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