投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

舞い斬る華の最初へ 舞い斬る華 42 舞い斬る華 44 舞い斬る華の最後へ

舞い斬る華 第七章-1

あれから一晩あけ午前7時…
3人は神妙な面持ちで集まる…


そこに昨日から調査を続けていた調査員から新しい情報が二つ入る。

それはどちらも耳を疑うような事実であった…

まずはひとつ目
昨夜、他のチームも組織の探査をしていたところ、その対新人類用の武器と思われるもので攻撃を受け、今朝になって分かっただけで5人が組織と思われる一味になんらかの傷害を受け、内1人は殺害されたとのこと…
他の4人はなんとか逃げ切り、手当てを受けすぐ完治している。

そして二つ目
3人が一番知りたかったハロルドのこと。

これは本来なら入隊前に気付いてもおかしくなかったが、管轄(かんかつ)が違うということで誰も気付かなかったのだが、あの大会に出ていたハロルドがまさしく昨夜捕まえた傷害罪の男の供述していたハロルドであった…

ハロルドの身元を調べようとすると、家族構成などがまず浮かび上がってくる。

彼は赤子の頃からの戦争孤児で、身内というものを知らずに孤児院で育った
しかし、丈夫な体とスポーツマンな友人達と、運動をメインとしながら素直な大人に成長していった
真面目な性格の持ち主であった。

出生の記録なども不確かであったが、国の制度により新しく譲与され家族は無くても国の援助などで不自由なく学業、趣味に打ち込んでいた。
好きな忍者から始まった剣術修行、そして地元ではそれなりに名が売れていた選手となりライバル友人と腕を競い合ってはまた黙々と腕を上げるために特訓特訓な毎日だった。

そしてだいたい2月くらい前の大会の後、数日して急な失踪
しかし、後日椿も出ていたあの大会にエントリーされているということが分かり、友人達は彼が少し遠征しただけなのだと安心していた。

ちなみにそのハロルドの地元とは、この今現在彼らの捜索しているこの近辺である。

そして今朝、現地の過去の大会エントリーなどからハロルドの友人の連絡先を聞き、アポを取ると早速1人彼の古くからの親友だったという男と連絡が取れた。

待つこと数分、たまたま近くに居たのもあって急いで彼は来てくれた。

彼も連絡のつかなくなったハロルドを心配していたらしいが、他の大会にエントリーしていたのを知ってから武者修行のノリかなにかだと思っていたらしい。

軽く挨拶と簡単な現状を打ち明ける。
そしてすぐに用意したそのこないだの大会の映像を彼に見せる。

「……これは…誰ですか?」

背格好は似ていてるが明らかに違う
忍者系の太刀筋も悪くはないけど本人のものとは違うし、動きもおかしい。

エントリーのデータも見てもらった。

確かにデータは名も住所や、個人識別番号(国で発行している国民全員の通し番号)も本人のものだった。
しかし、顔が違う…
コピーしてある顔写真つきの身分証も顔だけが違うものになっていた。

一同は静まり返った……

三人とハロルドの友人の男とその場の調査員は暫しの沈黙を続けた…


舞い斬る華の最初へ 舞い斬る華 42 舞い斬る華 44 舞い斬る華の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前