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Twilight Closse
【青春 恋愛小説】

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Twilight Closse]V〜虎馬:トラウマ:撮ら旨〜-1

西野にもらったラーメンは最高に旨かった。
誤解が解けて奥山の空腹が限界を超えそうになり、早速マンションの一室でこれを試食してみた。
どのスープに合うか聞いてなかったから適当に用意したがどれにも合う。
もう、なんつうの?麺がスープを引き立ててスープが麺を引き立てて「ゥんまァァァァァァァァい!」なのだ。
適当なスープをここまで昇華させるとは…
西野屋、侮り難し…
残念なのは麺の量が少ない事だ。二人分の麺には少し多い量だったはずだったんだが、奥山の胃袋をナメていた。
『おいしかったですけどちょっと足りないです』
まぁ…何となくわかるが。
「(西野のせいで)今金がないからちょっとこれ以上作るのは無理だ。明日の朝まで待ってくれないか」
オヤジに頼んで小遣いを前借りしないと、奥山が満足する分が作れない。
見てみると、無表情な奥山が物凄く、物凄くだ。がっかりしていた。
「いや、その、スマン…」
…なんだかこの世の全ての不幸を背負った様な顔だった。哀れで仕方がない。
無表情じゃない顔の方がまだマシな顔をしている。
と、真面目な顔になって何かスケブに書き始めた。
『ひょっとして今までおこずかいから出してたんですか?』
「金は沸いてくる物じゃない。それと、字、間違ってんぞ」
俺は奥山の書いたスケブに『おこづかい』と書き足した。奥山はすぐに返答した。
『今までの分をはらわせてください』
そいつはありがたい。蓄えが決して多くない俺には嬉しい知らせだ。あわよくば、次からの飯代は払ってもらいたい。
ただ、
「お前、金があるのか?」
いささか…いや、カナーリ心配だ。
両親不在の上、奥山は働きに出てる様子でもない。
今まで食い繋げて無かったし…むしろこれは余計な計らいじゃないか?
『大丈夫です』
そう書いて、奥山はゴソゴソ奥の棚を探った。
取り出したるは預金通帳。表紙で猫とネズミが仲良く喧嘩していた。
どれどれ…
一、十、百、千……



あれ?



おかしい。
何だこの数字は?
…き、きっと読み間違えたんだ…きっとそうだ…
一、十、百、千、万…



…?!



『これだけあれば、いつまで作れますか?』
呑気に聞いてくる奥山。
いつまで作れるもクソも…
「…三ツ星コックを…3ヶ月雇える…」

初めて見たんだ…



預金通帳にゼロが10個並んでる…


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