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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 第四章-2

「かたじけない…!!
しかし、あの勝利はまさに偶然。
本来全然手も足も出てなかったのは私の方。
私もさらに精進して待ち受けましょうぞ!!」

男の握った拳に、コツンと拳をぶつける椿

「約束だ!
それより…自分は行かないのにわざわざ激励に来たのか?」

「はい!
自分は行けなくても、どうしてもお見送りをしたかった…。
椿様がココに来て行かれるというのは知りませんでしたが、やはり来て良かった」

チャキッ
全身硬くなっている男のおでこに不意に刀を突きつける

「!!!」
「様はいらねぇよ
貴方の思いもしっかり俺のバッグに詰め込んだぜ」

そう言って椿は手荷物を肩から背負うように持ち上げた。

と、そんなやり取りをして居るうちに出発の時間は近づく。

国のお偉いさんが呼ぶ位置まで3人は行き、そのまま外に出て用意された乗り物に乗り込む。

その時には外はもう雨も止んでいた

運転手の運転するマイクロバスのような乗り物の広い後部座席にはお偉いさんと、椿、シルディア、それにもう一人の参加者の男と他に老人が一人。

もう一人の参加者の男。
この選手は、椿ともシルディアとも当たらずに決勝で一刀流の男に負けた二刀流の男である。

これでこの場には試合の2位3位4位が揃ったことになる。

乗り物に揺られて居る間に軽く、国の雇用としての報酬や保険といった現実的な話を聞き、一同それに同意する。
ちなみに、さすがに国の特殊雇用ということで給与は破格の額だった。

そして軽く全員自己紹介をする。

まずはお偉いさん。
40代半ばくらいだろうか
彼もまた新人類で、今までその界隈で新人類のバックアップや新人類にも普通の人間にも住みやすい世界などを作ってきた人の中の一人だった。

次に、椿とシルディアが自己紹介。

そしてもう一人の参加者
彼の名は 『ハロルド』
歳は30くらいだろうか
それなりに長身だが、軽量の短めの二刀流の使い手で、速さ手数で斬り刻むタイプの剣士だ。
基本的に地味な雰囲気で無口な感じに見えた。


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