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空の下
【ファンタジー 恋愛小説】

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空の下4〜嫌いな天使-2

真っ白な翼に高価そうな服、整った顔立ちだが何か嫌悪感を抱く雰囲気。
しかもナヨナヨしている。
「『…誰?』」
と、カインとサラ。
『天界のお金持ちの…お坊ちゃまの…ユウ…』
そう言ったエミリアは疲れた顔をしながらカインと腕を組んだ。

『エ…エミリアから離れろっ!』
ハッとした様にユウは立上がってそう言った。
『エ…エミリアは、ぼ…僕の婚約者なんだっ!』
血走った目で言うユウ。
はっきり言って恐い。『誰も貴方なんか好きじゃありません』
『だそうだ』
「うん」



『あぁぁぁぁ!』
突然3人の言葉を聞いた途端に飛び上がり光球を作り出すユウ。
ナヨナヨしていても一応はアークエンジェルである。

『なんでだよっ!…』
そう言って巨大な光の玉は凄まじい早さでエミリア達に向かって行った。
突然の事で反応出来ないエミリアとサラ。
反射反応で目を閉じる…と同時に暖かい何かに引き寄せられ、包まれた。
恐る恐る目を開ける2人。
「『カ…カイン』さん」
2人を庇ったカインは巨大な光球に直撃した。
辺り一帯に眩しい光が広がり、爆発した。

ユウが見た地上にはもう誰も居なかった。




『カイン…カイン…』
ポロポロと涙を零しながら森の中でカインの胸で泣くエミリア。
サラも傍らで涙目になって居る。
カインは先ほどの爆発から2人をかばい、ボロボロになって居た。
意識も無くただ眠って居る様な状態だ。

『はあっ…』
エミリアは手の平に魔力を込めてカインの胸に置いた。
『カイン…私だけを…放っていかないで…』
そう言って、手を胸に置いたまま、エミリアはカインにキスをした。


続く


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