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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 番外 椿の過去編-2

そして恋も順調だった。

大学入ってからすぐに出来た彼女と付き合ってから2年弱

彼女は家にも良く遊びに来ていて、家族公認のカップルだった。

彼女は彼の両親とも遅くまで働いているので、家を空けているときは先に家に来て、食事を作って皆を待っていたりなど、
まるで、もうそこに嫁いだお嫁さんのような状況だった。

本当に幸せな時間が続いた。

しかし、ある時、父が癌で2ヶ月ほど寝込み、手術も成功して治ってきたのだが、その後の月の支払いが困難になってきた。
保険には入っていたが、入っていた保険が少し手続きとか必要でやっていないと保険が下りない等、そこらへん無知な家族だったので、
それを保険屋に教えてもらい手続きは済ませたが、お金が出るまで少しかかるとのこと

そしてそのお金が出る前日、丁度どうしても支払いのお金が大幅に足りなくなってしまった。

が、その時、どうしても助けてもらえるような親戚なども見つからなかった。
そこにその状況を家族同然に知って居る彼女が「私でよければ…」と、少しの間で良いのならと知人を紹介してくれると言い出したので
親は「それなら」とお願いをした。

翌日来た親切そうな男に保険の下りる期日までとお金を借りた。

そして保険が下り「ありがとうございました」と、お金を返す。
もちろん、それなりにかけていたので癌の保険がドカっとおりたので、親は気持ち分という利子をつけた。

「……全然たらねぇなぁ」


一家は騙されたのだ。。。。


彼はすぐに彼女に連絡を取った。

しかし、彼女は他の男の腕の中に居た。

あろうことか、その男は一家を騙した男の関係者だった。

「信じられない…」
これが彼含む、家族全員の本心からの言葉だった…

……そして初めての絶望感が彼を襲った…

本気で彼は彼女を愛し、信じていた。

未来を約束していた。



常に人より優しく、強く、楽しく、格好良く生きてきた彼…

誰のことも信用して、信用されて生きてきたその彼への初の裏切りだった。

そのまま彼女は姿を消す


彼は人を信用できなくなった。
塞ぎこんだ。

そして借金取りの恐ろしい取立てに再度体を悪くさせ倒れる父


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