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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 番外 シルディアの過去編-2

傷などは出来ないが、中身は10歳にも満たない女の子
心はボロボロだった…。

それに体に傷は出来ないといっても、痛みは当然ある。

彼女はそのまま不安と恐怖を抱えたまま孤立していってしまっていた。

それが何ヶ月、何年と続いた。
そのどうにもならない状況にいつしか母も疲れきってしまっていた…。
そして母親はストレスでおかしくなっていたのだ。

母はだんだんと彼女にキツく当たるようになってきた。

親が子に言ってはいけない台詞も吐いた。
叩くこともあった。

彼女の体に痣は出来なくても、心には深い深い傷が出来ていった。。。

彼女も家にあまり帰ってこない父を羨み、怒鳴る母に恐怖心と、、、苦しんでいた。
親が嫌いになっていた。

言葉も交わさず、ご飯も別々にとり、同じ家に居ながら目もあわさなくなっていた。

そして大きな溝が出来たまま年月は流れて、彼女も小学校に上がり僅かながらうわべで話せる人も出来た。

しかし、友達というには程遠い、ただ表面上だけの付き合いが数人

やはり、影では自分と違うものへの恐怖心などで彼女に心を開く子は居なかった。

いや、むしろ彼女の方からそういう空気を作り出していたのかもしれない。


そして9歳の誕生日を迎えてさらに数日…


事件は深夜に起きた…。。

…やめて…!!

彼女の悲痛の叫び声で目を覚ます母

見ると、そこには何人もの男が居て、彼女をさらおうとしていた。

ズパッ!
一人の男のナイフが彼女の肩を切り裂く

彼女は痛みと恐怖に泣き叫んだ

「よし傷も出来やしねぇ。間違いない。コレは当たりだな」

男たちは彼女を抱えると、二階の彼女の部屋から出ようとした

しかし、母はそれを許さなかった

無我夢中で近くにあった椅子を、その男に背後から思いっきり叩きつける!
暴れていた彼女はその男の力の緩んだ隙に抜け出す

まるで本能のように一目散に母の元に走り、しがみつく。

男は母親を殴った。

しかし、どんなに殴られようとも母は彼女をかばった。

彼女を抱き、床に這いつくばり、恐怖で泣き母にしがみつく我が娘を守った。

だが、どんなに堪えようとも、現実は厳しく、一般人の女親が屈強な男、しかも複数に打ちのめされて…
耐え切れるものではなかった。

再度、彼女は男に捕えられる

ところが…絶望を感じたその瞬間、、、、

奇跡は起きた


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