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いつかの紙ヒコーキ
【純愛 恋愛小説】

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いつかの紙ヒコーキ-5

「あのさ・・・こんな事聞いちゃいけないのかもしれないけど」
「なに?」
「時枝の両親は何で、亡くなったんだ?」
時枝はその言葉を聞いて少し哀しげな表情をした。
少しの間沈黙が続く、やっぱり聞いちゃまずかったかな。
「・・・事故で」
すると時枝が口を開いた。
「交通事故なんだ、私が中一の時、お父さんとお母さんが車で買い物に行ってるときに、相手のトラックに追突されて・・・即死だった。」
俺は時枝の顔を見れなかった。

「・・・しかも相手は飲酒運転だったの」

その話を聞いた俺は、なぜ時枝が人と近づきたがらなかったのかを理解した。
やっぱり時枝もまた、自分にとって大切なものを誰かに奪われて。
誰かを信じるのに疲れてしまった人間だったんだ。

俺はその話を聞いて自分の事を話す気になった。
俺が小学校5年生の時に父が死んだこと、その原因が父の上司のせいだったこと、そして自ら命を断ったこと。

「時枝はさ、中一の時に戻れるとしたら戻るか?」
「え?」
「俺さ、ずっと後悔してた」
「勇介君」
「あの時、俺が『父さんのせいじゃないよ』って『一緒に頑張ろう』って言ってあげてれば、もっと父さんを支えてあげてれば・・・父さんは死ななくて済んだんだって、ずっと」

こんな事言うつもりじゃなかった・・・言うつもりじゃなかったのに。

時枝はそんな俺の肩を優しく抱いた。

「吉田君のせいじゃないよ、誰だって大事な人が死んだら、あれをしてあげればよかった、もっとしてあげたかったって後悔するものだから。私だってそう・・・だから吉田君は悪くない」

ただ涙が止まらなかった。
お前のせいじゃないって言って抱き締めて欲しかった。あの時からずっと

涙が止まらなかった。


そして俺も時枝を抱き締めた。

端から見たら、傷の舐め合いだって言われるかもしれない。
けど俺はそう思わなかった。

俺は一緒に涙を流す時枝をもっと強く抱き締めた。

傷ついた羽でも、二人寄り添えば飛べると・・・そう信じて。



一月

「帰ろう勇介君」
「ああ」

あれか三ヶ月、俺と優里は付き合っていた。
クラスの奴らは結構驚いていたっけ。

それから俺は少しづつ変わっていった。
自分から誰かと向き合ったり、触れ合ったり、逃げずに。
それはきっと君のおかげなんだろう。

そして君も少しづつ


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