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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-285

「わかったよ。…桜子」
「うんっ」
 はっきりと、大和の口から名前を呼びつけられたとき、桜子は彼の精神と交感できたような気持ちになった。
「嬉しい…」
 気持ちはそのまま、行動に変わった。大和の逞しい胸板に、桜子は抱きついていた。豊かで柔らかいバストがクッションとなり、ふにゅりと二人の間で形を変えた。
 その体を優しく抱きしめる大和。彼もまた、彼女に対する願い事があった。
「桜子も、呼んでくれるかい?」
「大和……って?」
「ああ」
「うん…。うふふ、あたし、初めてだよ。男の子を名前だけで呼びつけるの。最初はちょっと、慣れないかも…。でも、ちゃんと呼べるようにするから、ね…。大和……」
「桜子…」
 そうして二人は、互いの顔を寄せ合った。今日だけで何度目の接吻になるのか、と、数える必要はもうないだろう。気持ちを確かめ合うための口づけに、その回数は意味を持たない。
 ひとつ言えるとすれば、二人は確かな“助走”を踏み出したということだ。触れ合うだけで満足してきたこれまで関係から、これからの人生を含めた道程の中で、必要不可欠なパートナーになっていくための“アプローチ”を…。
「好き……大好き……大和……」
「僕も……好きだ……桜子……」
 何度も名前を呼び合いながら、深いキスを重ねる二人であった。


 −続−


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