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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-229

「1枚ずつ……な……」
「じゃあ、あなたから……脱がしちゃおっと……」
「へっ?」
 主導権をすっかり手にしたつもりで、晶を裸にさせる手順をひとりで夢想していた亮は、彼女がおもむろに打ってきた一手を防げなかった。
「あ……」
 ポロシャツの胸元に、晶の指がしっかりと絡みついている。文字通り、“先手”を取られたのだ。
「ふふふ……。いちまいめ……」
 下から数えて二つまで留めていた胸ボタン。それをするすると外して、逞しい首周りを隠していた襟元を広げる。
「腕……あげなさいよ……」
「わ、わかったよ……」
 言われるままに、二の腕を引き上げた。すかさず、すぽっ、という具合にポロシャツが引き抜かれてしまった。その手際の良さと言ったら、侮ることはできない。
 姿を現した亮の上半身は、よく鍛えられた引き締まりをしていた。その胸板には、玉のような汗が幾つも浮かんで、きらりと光を放っている。
「今度は、こっち……」
 見惚れたように、しばらく動きを止めていた晶だったが、その指はすぐ腰の部分へと伸びていた。
「ま……」
「待たないもん……。ふふ……、にまーいめ……」
 かちゃかちゃ、とベルトの金具を正面から器用に解いて、隙を与えないように素早く、ジーンズのピンを晶の指は外してしまった。

 ジジジ…

 と、そのままチャックも降ろす。
 亮にとっては愛用のジーンズだが、このチャックがなかなか下りないので、いつも苦戦させられている。それにもかかわらず、晶は簡単にその封印を解き放ってしまったのだ。恐るべき哉…。
「わぁ……」
 顔を覗かせたトランクスの中央部は、立派なテントを張っていた。無論その下になにがあるかは、詮索するまでもない。
「ラスト……いいかな?」
「……どうぞ」
 事ここに足れば覚悟も定まるというものだ。亮は膝立ちの状態になり、晶が望むことをしやすいように、お膳立てをした。
「うふ。……えいっ」
 ずるり、とジーンズとトランクスが、ものの見事に同時に下りる。

 びよんっ!

「あっ、す、すごい……!」
 晶が息を呑むほど勢いよく、外の世界に亮の業芯が姿を現した。血色がよく、傘の張りも逞しく、時折脈動を激しく打つそれは、何度見ても淫靡で眩しい。
「………」
 覚悟を決めている亮は、露にされた欲棒をむしろ誇示するように、両腰に手をあててその張りを晶の目の前に捧げた。 当然、恥ずかしさはあるが、それを押しのけて、彼は“漢の姿”を晶に見せ続けていた。矜持が為せる業である。
「あ、あぁ……亮の……すごい……」
 とろん、と晶の目が妖しく揺れる。赤黒く脈を打つ欲望の塊を凝視したまま、彼女は蕩けた表情で凝結していた。その雄々しさに、魅せられていたのだ。
「こ、こら……」
 そそり立つ欲棒を、じっくりと見つめられている羞恥に耐えながら、膝立ちの体勢で“仁王立ち”していた亮。しかし、晶の手が先端に伸びてきたのを視界に捉えると、その手を抑えて腰を引いた。
「あん……いじわる……」
 おあずけを喰った子犬のように、晶の瞳が哀しみを訴える。一瞬、惹きこまれそうになった亮であったが、そうなると完全に主導権を渡すことになるのは明白だったので、それを許さなかった。これは、男のエゴである。…責めるな、諸君。
「調子に乗って。…今度は、晶の番だぞ」
「う、うん……」
「全部脱ぐから、ちょっと待ってててくれ……」
「わかった……」
 亮は晶に背中を向け、ベッドから立ち上がって、太股の箇所で留まっていたジーンズを取っ払った。こうして彼は、先んじて完全な“剥き身”の状態になったのである。


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