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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-183

「ただいま。あら、満。今日も来たの?」
「おう、愛子」
 “まんぷく”の出前籠を片手にした女性が店に入ってきたのは、満が浮かした腰を元に戻したその時だった。
「あんたも、飽きないね。毎日、毎日」
「おいおい、そりゃあねえだろう? 店の売上に貢献してんのに……」
「日替わりは、半値になっちゃってるの知ってるくせに。貢献っていうんなら、ビフテキ定食でも頼んでよ」
「そんなすげえの、あったか!?」
「メニューに載ってるわよ。あんた、ろくに見ないで“日替わり”ばっかり頼むから、知らないんでしょ? ちなみに、1000円(税込)だから」
「そりゃ、高いって」
「肉の厚みを見れば、良心的だと思うけどな」
 大和を余所に始まった満と女性の掛け合い。
 うやむやになってしまった"彼女の話"だが、大和は既に答えを得ていた。
「草薙くん、ゆっくりしていってね」
「俺は?」
「言わなくても、エッチな雑誌を全部読むまで帰らないでしょ」
「………」
 女性はそのまま、厨房の方に入っていった。この店の雰囲気そのままを映した、なんとも快活な人である。
「藤島さんの彼女って、愛子さんですよね」
「うん、そうだ。まぁ、わかるよな」
 幼なじみだという二人だ。もったいぶった割には、なんともありふれた回答である。
「あんまり身近にいると、良さってわからねえもんで。実は、つきあいだしたのは最近の話なんだよ」
「そうなんですか」
「俺はほら、こんなにナイスガイだから。あいつと付き合うまで、女友達はたくさんいたんだけどな。やっぱり愛子が一番だった。今じゃあ、あいつ一筋よ」
「………」
 のろけている。間違いなく、満はのろけてしまっている。骨がなくなったような顔のつくりが如実にそのことを示している。女の話を振ったのも、のろけるのが目的だったに違いない、と勘繰ってもいいだろう。
「ちょい、耳貸せ」
「?」
 奥に下がった愛子の視線を窺いながら、満は大和に耳打ちする。
(あいつ、夜になると人が変わるんだぜ)
(は、はぁ……)
(もう近所を憚るぐらいにでかい声をだすんだ、これが。……結構、Mの気もあるしな)
(………)
 満にそういうことを聞かされると、大和も妄想してしまう。笑顔一杯に“まんぷく”の店内を行ったりきたりしている愛子が、裸になって苛烈な愛撫に晒されて、艶めいた視線と淫らな声を挙げる姿を…。
(想像したな?)
(うっ)
 にへら、と悪戯風味に口の端を緩めつつ、満は顔を離した。
「へっへっへ。やっぱり、男はスケベじゃねえとな」
 誘導尋問だったのだ。大和が、自分の大好きな“エロい話”ができる相手かどうか、満は確かめたかったのである。
「大和も、彼女と“えろえろ”なんだろ?」
「そ、それは……」
「まさか、大学生にもなって“プラトニックな関係を大事にしてます”だなんて、言うんじゃないだろうな」
「いや、さすがに……」
「じゃあ、“えろえろ”なんだな?」
「は、はぁ……まぁ……そうです」
 こうもはっきり聞かれると、むしろ清々しい。観念して、大和は全てを肯定した。
「よしよし、男はスケベであるべきだ。しかしだな、女を心身ともに悦ばせてこそ、真のジェントルメンだ。自分の都合を押し付けて、泣かせたり、嫌な想いをさせたりするのは、サイテー野郎のすることだぞ。あと、あんまり放っておくのもダメだからな」
「放っておく?」
「うん。いくら相手が求めてこないからって、あんまり間を空けちゃうと気持ちのつながりも薄くなっちまうからさ。そういうところから、男女の仲って簡単に切れちまうモンでよぉ」
「………」
 心当たりがあるだけに、耳が痛い。


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