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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-158

「はぁ、はぁ、京子……うっ……ぬ……」
 一方で夫は射精の余韻から覚めていないようだ。何度も深い位置まで腰を粘膜に押し込み、残っている精を注いでくる。
(うふふ……いっぱい、出てる……あたいの中、いっぱいに……)
 先に余裕を取り戻した彼女は、愛しげに左の手のひらで夫の頬を撫でながら、右手をそっと下腹に押し添えてみた。
「結局さ……すぐに1回目、終わっちゃった」
「う、うむ……そうだな」
 お互いに余韻を愉しむ落ち着きができたので、繋がったままとりあえず時を過ごす。
「久しぶりだったから、ぜーんぜん我慢できなかった」
「僕もだ」
 穏やかな笑みを浮かべあい、軽い口づけで睦みあう。刹那に終わった一度目の激しい交わりが嘘のような静謐さの中に、今の二人はたゆたっていた。
「ねえ」
 不意に京子が、何かをねだる時に見せる思わせぶりな表情になった。
「どうしたのだ?」
「んふふ……実は今日、あたい、すっごい“危ない日”なんだよ」
「危ない日?」
「は・い・ら・ん・び・♪」
 京子はそれを確かめるように、頭上にかかっているカレンダーを見る。生理との兼ね合いを計算してみると、間違いなく“危険日”の、それも“超”がつく時期にあると確信した。
「多分だけど」
「そ、そうか……」
 少しだけ動揺の色を見せた幸次郎だったが、すぐに穏やかさを取り戻すと、京子の額に軽いキスを送った。
「幸次郎?」
「楽しみができたよ」
「あ、あんっ……」
 繋がったまま、抱き締められる。
「こ、幸次郎……」
 動揺してうろたえるところを期待していたのに、その予想外の反応が京子を逆に困惑させていた。
 もしかして妊娠するかもしれないのだ。その確率は頗る高い。結婚しているから問題は全くないのだが、二人にとっては初めてのこどもにもなるわけで…。自分で言っておきながら、そういう現実を考えると次第に京子の方が不安になってきた。
「いいの……?」
「もちろんだ」
 そんな若妻の不安を払うように、夫は優しく髪を撫でてくれる。
「実は前から、そろそろ子供が欲しいと思っていた。きみはそんな素振りがなかったので、言い出せないでいたのだが……」
「そうなんだ。あたいは、幸次郎が“まだ”なんだって思ってたけど……」
「ううむ。やはり、こういう大事なことはしっかり言葉にすべきであったな」
「そうね」
 額を寄せ合い、二人は微笑と口づけを交わす。
「……京子」
「ん? なに?」
 不意に、真摯な顔つきになって幸次郎が眼差しを向けてきた。純真さを失わないその色合いは、見ているだけで吸い込まれそうになる。
「子供が欲しい。きみと、僕の……」
「えっ……あ、は、はい……」
 “大事なことをしっかりと言葉にした”夫に、京子は胸の高鳴りを覚えた。
「あたいも、幸次郎の赤ちゃん、産みたいよ……」
 滑稽にも思える生真面目さだが、そんな幸次郎の全てを京子は心から愛している。彼の子を宿し、産み、新しい命をともに育んでいきたいと思うほどに…。
「うふふ……」
 色々と表情が変化した京子だが、いつも通りの快活さが戻ってきた。もう一度、愛する人の体に強くしがみついて、その耳元に口を寄せる。
「1回だけじゃ……足りないかも」
「そうか……それなら」
「あ、んっ……」
 京子の意図を察し、中に収めていたままの自己を再び律動させる幸次郎。
「いっぱい、いっぱい、あなたの……あたいに、頂戴ね………」
「ああ……」
 いつしか“京子を満足させる”という趣旨から、“京子に子供を宿す”という指標に変わり、幸次郎は妻への奉仕に汗を流すのであった。


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