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紅館の花達
【ファンタジー 官能小説】

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紅館番外編〜紅様の欲望〜-1

誰にでも欲望はある。
それが権力欲だったり、物欲だったりと様々だ。
では、紅館の主人の欲望をお見せしよう…。

『・・・ぬ〜・・・』
今日も紅館は平和そのもの。
皆仕事に励み、そのせいか空もご機嫌。なのだが。
紅館の主、ウェザは自室で唸り声をあげていた。
『ぬぅ〜・・・』
机に頬をベタリと乗せ、虚空を見つめる。
『紅様、なんですか?
何か悩みでも?』
私の側で紅茶をカップに注いでいたアルネが問うてきた。
『ん…いやさぁ、シャナとさ。』
『シャナさんと…?』
肺に溜めた息を、はぁ、と吐き出し、椅子にもたれかかる。
『…もっと激しいHがしたい。』
ガシャン!!
アルネの手元が狂い、食器同士がぶつかる。
『は、激しい…ですか?』
アルネの頬に一粒の汗が見える。
真昼間からこんなことを言うが、気持ちは真剣だ。
私は獣人である。卓越した知能を備えているが、本能は精力溢れる獣であることに違いはない。
今まではシャナを気遣い、普通に、ソフトに、優しくしていたのだが、自分自身は少し欲求不満なのだ…
『しかし紅様、シャナさんは普通にするのですら少し嫌がってますよ。 …あ、紅様が嫌いと言うわけでは無いです。
彼女はまだ慣れないのです。 年もまだ若いですし。
急に紅様が野獣になったら〜…』
それは自分でもわかっていた。だが優しく愛すのも、もちろん好きなのだけど…
『口とお尻…シャナの【初めて】を全部…』
ぺた〜っと机に頬を付ける。 フニャフニャとクラゲのようだ。だが目だけはランランと輝き早くもどうやってシャナをその気にさせるかを思案していた。
『はぁ……口とお尻ですか…』
アルネはまた溜め息を吐き、自分のカップにも紅茶を煎れ、飲む。
『言っておきますけど、嫌われても私は慰めませんからね。』
『にゃふん………』
だがアルネの心中では。
シャナさんが紅様を嫌いなるなんて考えられないけどね。紅様と同じくらいシャナさんも紅のこと愛してることだし。
と、考えていた。しかしならば何故不安をあおるようなことを言う理由は…
『にゃふ…シャナ〜…』
(紅様がこんなにフニャフニャになるなんてそうそう無いから、良く見ておこう♪ こういう時だけは紅様って可愛いのよね♪)
アルネの趣味だった…

夕刻になり、食事の時間。大食堂で皆集まって食べているわけだが。
『あの…私の顔に何かついてますか? 紅様。』
どうも目がシャナに行ってしまう。
『シャナ、今晩来てね。』
『あ…は、はぃ…』
シャナは私の誘いの意味を知って、顔を赤らめる。私はこの可愛らしい反応が大好きだ…♪
調子にのってイジメ過ぎないようにしないと、と心では思うのだが…無理。可愛すぎ。
食事が終わったので、席を立つ。だが出口に向かわず、シャナに近寄り。
『待ってるよ。』
チュ…
耳元で囁き、オマケにキスまでしてしまった。
そしてシャナはというと予想通り真っ赤。
私は心の中でガッツポーズをとった。

部屋に戻り
私は色々と考えを巡らせ、作戦を立てた。


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