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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜@
-10

一方ゼスト達も何とか避わすが、次第にオーガの呪文の連射に足が追い付かなくなっていく。
そして遂に一人の隊員が足をもつれさせ転倒してしまう。
火球が容赦無く転倒した隊員に向かって飛んでくる。
「うわああああ」
その時だった。
「フォースフィールド!!」
フォルツが補助系呪文フォースフィールドを使った。
ファイヤーシェルは光の結界に弾かれる。
「す、すまない」
「いいってことよ」
震えた声で礼を言う隊員にフォルツは親指を立ててながら明るく答えた。
「調子に乗るなよ!」
しばらく炎をただ避けていただけだったアルスが炎を剣で弾きながらオーガのいる木に近づいていく。
そして木の根本までたどり着くと。その大木に向かって剣を振るう。
"ザン"
その瞬間 太さ1メートルはあるだろう大木が両断された。
"ズズズ"
という音と共に大木は倒れていく。
その木に上っていたオーガ達もバランスを崩しながら木と共に地面に落下していく。
「今だフォルツ!」
「オッケー!」
フォルツはアルスの合図で、杖を落下していくオーガに向ける。
「サンダーランス!!」
フォルツは雷の下位呪文サンダーランスを使った。
フォルツの杖から雷が放出され真っ直ぐオーガに向かって飛んでいく。
そしちオーガ達は雷に貫かれた。その瞬間に体を電気が走り、オーガ達は次々と絶命した。
「す、すげえ!」
「い、いやあ。そうかなあ?」
アルスとフォルツのコンビネーションに驚く隊員達の声を聞いて、フォルツが頭を掻き、隊員達の方を見て照れながら言う。
しかし一匹だけ完全に絶命していなかったオーガが息を吹き返した。
そしてよそ見をしているフォルツに飛び掛かった
「げっ!」

しかしその時
「インフィニティクルス!!」
アルスの剣から十字の剣閃が走る。
そしてオーガは十字に瞬断された。
【アルスの剣技の一つ インフィニティクルスは、魔力を集中させた剣で縦と横の斬撃をほぼ同時に放つ技だ。】
オーガは完全に全滅した。
「詰めが甘いなフォルツ」
「るせっ今回はたまたまだ。」

(さっきの呪文といい
今の剣技といいこいつらは一体何者なんだ?)
ゼストは二人の実力に終始圧倒され通しだった。
そしてアルス達は村民に報告をしに行った。

魔物を倒したという報告を聞いた村民達は一斉に家から飛び出して来た。
「やっと買物ができる」
「もうお外であそんでいいの?」
「読書はいい加減うんざりだったぜ」
そんな喜びの声を聞きながらアルスは
「いい気なもんだ」
とつぶやく。

それから数時間後、村を発とうとするアルス達の元にゼストが向かう。
「本当に助かった。礼を言うよ」
「ああ」
「いいって いいって」
「それでこれからどうするんだ?」
「俺達には別に行く目的は無い。とりあえず適当に進んでみる。あんた達はまだ戻らなくていいのか?」
「ああ、あと数日 全焼してまった家の修繕を手伝ってから戻るよ。」
ゼストは村の大工達が新しく建てている民家を見ながら言った。
「ふーん。真面目だねー」
「ははは、まあまた何かあったら頼むぞ」
ゼストはアルスとフォルツの肩を叩きながら言った。
「あんた達も もう少し腕を上げとけよ」
アルスは冗談まじりにそう言うと、フォルツと共に村を後にする。


「あっ」
思い出したようにアルスが言う
「どうした?」
「報酬」
「え?」
「ちっ 報酬を貰いそびれた」
「あーそういえばゼストさん手伝えば報酬くれるって言ってたな」
「あいつ、真面目なふりして中々やり手だな」
「戻るか?」
「そんな意地汚いことできるか!」

そして二人は更に進む。


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