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詩を風にのせて
【ファンタジー 恋愛小説】

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詩を風にのせて 〜第1話 始まり〜-3

「貴方たちがこの川を流れてたから助けたのよ。怪我もしてたみたいだから、ついでに治してあげたわ」
「俺たちは死んだんじゃなかったのか?」
「私が助けなかったら間違いなく死んでたわね」

ユキはようやくこの状況を理解できた。
死にそうなユキたちを偶然にも見かけたこの妖精が助けて、さらには治癒魔法で怪我を治してくれたのだ。
「どうして、妖精がこんなところにいる?」
「ある事情があってね…。それで助けたお礼に私に協力してほしいの」
「なんだ?」
「今世界に異変が起こってるみたいなの。今までなかったことが急に起こったり…」
「俺の村がゾンビに襲われたのもそうなのか…?」
「ゾンビに襲われた…そうね。そういうことが各地で起こってるみたいで、その原因を調べてるの」
「それで俺は何をすればいい?」
「私は妖精だからあまり目立つことはしたくないの。だから貴方に寄生させて。ダメかしら?」
「それって俺に旅しろって言ってるってことだよな?」
「そうなるわね」
「わかった、助けてもらったお礼だ」
「ありがとう。それでね、私が寄生していることはいろいろ面倒だから誰にも話さないでね」

「ああ、わかった。礼を言うのはこっちだ、助けてくれてありがとう」
「じゃあ貴方の中に入らせてもらうわ」
そう言ってエイミは消えた。
突然エイミが消えたことによりユキは混乱した。
「エイミ…?」
『なに?』
「うわぁ!頭の中から声がする!」」
『寄生してるんだからしかたないでしょ!』
「はぁ…」
ユキは溜め息をついた。
レオとサクラを起こす。
「俺たちは助かったのか…?」
二人は混乱している。
「ああ、なんだかよくわからないけど助かったみたいだな」
そう言ってユキは妖精エイミのことを誤魔化すことにした。
「あそこに街が見える。ひとまずあそこに行ってこれからどうするのか決めよう」
ユキが提案するとレオとサクラは頷いた。

そして3人は街に向かった。
―これから起こることを何も予想しないままに―



続く


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