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子羊の悩ましい日々
【ファンタジー 官能小説】

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『子羊の悩ましい日々 〜初めての朝〜』-2

「慌てんぼさん」
 ソフィアはロイにそのまま覆いかぶさると、耳元に熱い息を吹きかける。
「あ……や……」
「ロイくん、これは最初のお勤めよ……」
「え?」
「ロイくんのあそこをね、ラーナ神殿の聖水で清めるないといけないの」
「えええ!?」
 ソフィアは少し潤んだ瞳でロイをじっと見つめる。
「今日は私がやり方を教えてあ・げ・る」
 のしかかるソフィアの重みと身体のやわらかさ、そして肌にかかるソフィアの息の熱さにくらくらしながら、ロイはなんとかその場から逃げようとする。
「暴れないのー、ん」
 ソフィアは楽しそうにロイの身体を押さえつけながら、ロイの耳たぶに甘噛みする。
「ひゃん……!」
「ロイくん、ぴくっと震えたー、えへへー、ん……ちゅる……」
「うにゃあ!?」
 耳の中に熱い舌が浸入してくる。やわらかくぬめったもののねばついた音が耳の中に響いてロイはたまらなく身をひねる。
「ソフィアさん……いや……うん……」
 そんなロイの様子を見るソフィアの瞳はますますトロンとしてくる。
「なんか私がロイくんにいけないことをしてるみたい。ちょっと興奮しちゃうかも」
「現にしてるじゃないですか〜」
「あら、これは神聖な儀式よ? ロイくんは、大人しく私のすることを受け入れるの」
「でも〜」
 いまだロイは身をくねらせてソフィアから逃げようとしている。ソフィアはそんなロイを、むしろ嬉々として押さえつける。
「あ、でも、暴れてくれた方が燃えるかも……♪」
「あう……」
 その言葉に悟ったのか、ロイはおとなしくソフィアに身を委ねる。
「残念、もうちょっと嫌がるロイくんを見たかったのに」
 本気で残念そうな表情をソフィアは浮かべる。
「うう……ソフィア司祭長といえば、聖職者の鑑と聞こえの高い立派なお人柄と聞いていたのに、それが朝からかよわい後輩を襲う小悪魔だったなんて……」
「あらロイくん、なかなか言うじゃない、ふっふっふ……」
「あう……いや……あの……」
「ラーナ神にお仕えする気持ちは誰にも負けないつもりだし、聖職者として清廉に過ごしていたのも、単純にそういう機会がなかったってこともあってね。一応人並みに興味はあったのよ」
 ロイがもう暴れないと判断して、ソフィアはこれから始めることの簡単な準備をしながらそんな話をする。
「同期の友達とかが彼氏とののろけ話とかしているのを聞くとうらやましくて、でも、私はいつの間にか『おかたい』って印象ができあがってて、ただでさえ少ないラーナの男の人たちは誰も近づいてこなくて。もし私の好みのタイプがいれば変わっていたのかもしれないけど、いなくてね」
「はあ……」
「でもね、昨日初めてロイくんを見たとき『これだ!』って思ったの! 綿毛みたいなやわらかな金髪、くりっとした大きな碧眼、女の子みたいな可愛い声、背丈も私より小さくて、もう、可愛くて可愛くて食べちゃいたいというか……」
 いつの間にか呼吸が荒くなって力説している。ロイがじとーっと見つめているのに気づいて正気に返る。
「こほん……とりあえず、昨日のこともあるし、神殿では司祭長としての立場もあって常に神経張り詰めているから、こんなときぐらいハメを外してもいいかなー、なんて……ダメ?」
「あ……」
 その言葉にロイは胸が痛んだ。20代前半で司祭長となった責任、重圧、それらはおそらくロイの想像以上のものなのだろう。四六時中そのようなプレッシャーがかかる立場の彼女の気持ちをおしはかることもできないとは、と反省する。
「すみません、僕……」
「謝らなくていいのよ……」
 ロイの口を唇で塞いでそれ以上の言葉をさえぎると、ソフィアはコップほどの大きさの瓶を取り出した。
「それは?」
「ラーナ神殿で清めた聖水よ。これでロイくんのあそこを清めるわけ」
「…………」


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