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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【告白】〜ハダカの告白!?〜-1

俺はこの日、俺史上最悪の目覚めを味わった。


『ペロッ‥‥』
‥‥‥ん?

『ペロペロ』
‥‥なんだ?この口の周りの温かい感触は

『ペロッ』
うわっ!
く、唇を‥‥!

「━━だ、誰っ?」

目を開け視線を下に向けると‥‥黒猫。
‥‥黒猫!?

両者睨み合う。‥‥‥が

━━ペロペロペロペロペロペロペロペロペロ!!

黒猫、怒涛の攻撃。

「ユキチ! やめろぉ! お前♂だろぉぉ!!」

俺は思わず叫んで飛び起きる。跳ね退けられた黒猫・ユキチはひらりと華麗に着地し、焦らず素早くリビングから出ていった。


なんとも爽快な目覚めだ。この口の周りのベトベト感を除けば‥‥
眠気も(強制的に)すっかり覚めたところで部屋を見回してみる。

‥‥これは、あれだ。例えるならテレビでよく見る「片付けができない人の部屋」だ。

散乱するスナック菓子の食い散らかし、空きビール缶‥‥テーブルの上はもちろん、真っ白だったカーペットすら もはや芸術的とさえ言える汚れっぷりだ。これを片付けなきゃいけないことを考えただけで憂鬱になる。
そんな惨々とした床には平気であや姉が大の字で寝転がり、その腹の上で薫が重なって寝ている。
俺はすぐに目を逸らした。いや、あんまり見苦しかったもので。

ふと、時計が目に映る。
12時。
もちろん夜じゃない。外からはガンガン日差しが差しこんできている。

そうだ。昨日ここに泊まったんだよな。確か3時くらいまでは起きてた気がする。

俺は髪をいじりながらもう一度部屋を見回した。あかねがソファの上で丸まって寝ている。
エリカは‥‥いない。 まぁ、起きて何かしてるんだろう。
「‥‥顔洗うか」
俺は少しぼーっとしてからとりあえず口の周りの不快感を取り除くため、薫のバッグから歯ブラシとタオルを取って洗面所に向かった。
口の周りに手を触れるとねばっこいユキチの唾液と共にスナック菓子のカスらしきものが付着していた。
「ユキチのやつ、これを舐めてたんだな‥‥」


廊下に出るとすぐに、洗面所のドアが完全に閉まりきっていないことに気付いた。
先客がいる。としたらまぁリビングにいなかったエリカしか考えられない。

‥‥ちょっと待てよ

ドアノブに手をかけたところで少し動きを止める。
ここは洗面所と風呂が混同されている。
もし。もし、エリカがシャワーを浴びているとする。
ありがちなパターンとして‥‥エリカが風呂から上がり体を拭いている最中、という可能性が高いのではないか。


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