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【魔術師】の戦いと受難
【ファンタジー その他小説】

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【魔術師】の戦いと受難 いち 〈中〉-2

鉄の骨組が剥き出しの薄暗い倉庫の中、赤黒いペンキの様なもの(この匂い・・・これは、血か)で彩られていた。
「ちっ、こりゃ酷い。さて、取り合えず。・・・っ!やっぱり【魔力】が無くなってやがる。だとすると、これは【補食】ってことだな。・・・・・ふぅ、何とかするしかないか。」
俺は意識を集中させ。【魔力】を目に流し込む。
「第一幻視呪法〈万視の魔眼〉」
世界の法則が螺子曲がる。俺の視る世界が変わる。俺の魔術の一つ。世界の裏、構成要素の一つ一つまで手にとるように解る。その中で【魔力】の跡を探す。
「・・・あった。」
そこには【魔力】の跡が色濃く残り何処かへと続いていた。
「行ってみるか。」
俺は【魔力】の跡を追い歩き出した。




あと少し、【魔力】が満ちる。だからあと少し食べる、喰らう。完全になる、あと一人で完全。だから喰らう。獲物を探す。
影は獲物を探し空へと飛び立つ。



放課後

「顎のヤツどうしたんだろ。」
わたしは一人で帰り道を歩いていた。
「まさか殺人事件を調べてるのかなぁ?ってそうだよね。・・・あいつ何時も無茶するから心配だよ。」
工場区の先、もうすぐ家に着く。
「ココって朝のニュースの工場の近くだなぁ。」
工場までもう直ぐ、でもあの角を曲がると帰り道。
「・・・なんか嫌な空気。さっさと帰ろ。」
角を曲がればもうすぐ。角を・・・曲がる。

ドン

「あっ、ごめんな・・さ・・・・・い!?」
わたしの前に居たのは
「・・・キシャァァァァァァアーッ!!」
化け物だった。
「きゃ、きゃぁぁぁあ」
急なことでわたしは逃げ出すことが出来ない。

ビュン!!

化け物の腕がわたしに向けられて振り降ろされる。・・・筈だった。


「炸裂しろ!!」

爆音。声と共に爆風がが頬を撫でる。眼を開けると目の前に人が立っていた。立っていたのは・・・
「よう、大丈夫だな。」
わたしの何時も見てる顔だった。
「あっ顎!!何でココに!?」
驚くわたしに
「コイツを追ってた。コイツが最近の【魔力】が減少する傷害事件と・・・」
顎が少し言い淀むと
「ニュースの殺人事件の犯人だ。」
そう言った。
「っ!」
わたしは言葉を失う。だけど顎は
「だから逃がすわけにゃいかねぇ。お前は学校行って美袋さん呼んできてくれ。」
そう言い化け物に向き合った。
「危ないよ!さっさと逃げようよ」
そうだ、逃げたほうが絶体いい。
「・・・無理。」
顎は事も無げに言った。
「何で無理なの!まさか勝てるって思ってるの!?本当にそうならあんた正気なの!!」
わたしは怒鳴りながら聞いてしまった。顎は
「違ぇよ。ただ、二人一緒に逃げたらお前・・・確実に殺されるぞ。」
そんなことを言った。


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