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死のゲーム
【推理 推理小説】

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死のゲーム〜オープニング-2

『ちゃんと見てくれたかな?』
「何の真似だ?」
葉月に聞こえないように俺は話す。
『なぁに、只のデモンストレーションだよ』
その声は笑いを堪えているように聞こえた。
「お前……誰かが死んだかもしれないんだぞ?プレイヤーは俺じゃねーのか?」
俺は怒りを出来るだけ抑え、冷静に話すように心掛けた。
『私は誰の命とも言っていない。つまり、君以外の人間が死ぬかもしれないんだよ』
その言葉を聞いた瞬間、俺の背筋は氷ついた。
『ではルールを説明しようか。これから私は一定の期間のうちに特定の人物を狙う。君の良く知る人物だ。君はその人物を護ればいい。ゲームのチップはその人物の命だ』
「他人を巻き込む気かよ!」
『但し、君には対象が誰なのかも期限も伝えるし、私からのヒントもあげよう。そうすれば私と君とは互角というものだ』
「互角とかの問題じゃねぇだろ」
『事件が起きたら警察に連絡してもいい。但し、このゲームについて誰かに話したら君の負けだ。その時はどうなるか……分かってくれるよな?』
 やばい……人の話を全く聞いてくれねぇ。何としてでも俺をそのゲームとやらに参加させたいみたいだな。
「しょうがない。しかし一体規模はどれくらいなんだ?一度に大勢護れとか言われても無理だぞ?」
『安心しろ。対象は一度のゲームに一人だけだ。但し、ゲームは半無制限。君が私を見つけられない限りゲームは続くと思ってくれ』
 つまり、俺は対象を護ると同時に、こいつの正体も暴かなきゃならないってことか。
『さて、早速ファーストゲームを始めようか』
「待てよ。お前の名前くらい教えろよ」
『それもそうだな……とりあえずジョーカーとでも名乗っておこうか』
「ジョーカーだな……」
 その名前、絶対忘れないぞ!
『ククク……では最初のゲームだ。ターゲットは富山雄二。彼を一週間以内に狙う。ヒントは黄昏の架け橋だ。楽しませてくれよ』
 ジョーカーはそう言って電話を切った。その少し後に葉月が呼んだ警察や消防車が到着した。俺や葉月は警察からいろいろ聞かれたが、すぐに解放された。
 俺は葉月と帰りながらこれからの事を考えていた。犠牲者は増やしたくない。しかし、そのためには奴を探し出すしかない。
絶対に見つけてやる!そして、こんな意味の分からないゲームはとっとと終わらしてやるんだ!


 そして今日、俺とジョーカーとの戦いは始まったのだった。


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