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School days
【学園物 官能小説】

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School days 3.3-2

「宴ちゃん?みんな帰っちゃったよ?」
はっと宴が我に返ると、教室には友人と二人ぼっちだった。
「あ…夕音ちゃん、先帰っていいよ」
「え、でも…」
「寝不足とは関係ないってば」
笑う宴に彼女も安心した様子で「お言葉に甘えて」と帰っていった。
宴はまた一人で掃除を始める。

「またあいつらに捕まりてーのかよ…」

呆れた声がかかる。賢輔が壁にもたれて立っていた。
「何で…いるの…」
「桜木の方がよかったかぁ?」
くす、と笑う賢輔。
「ち、ちがっ…」
少し顔を赤くして宴が俯く。賢輔がこちらへやってきた。
「俺も手伝うかな」
ほうきを手に取り、床を掃きだす。
「待っててくれたの…?」
「んなんじゃねーよ…」
ぶっきらぼうな返事。照れ隠しだろうか。

「まぁっ!」
またもや学年主任のご登場である。呆気にとられてこちらを見ている主任。
「近藤くん、どういう風の吹き回し?」
「失礼な。僕だって良心に目覚めることくらいあるんですよ」
「じゃあいつも目覚めてて欲しいわね、おほほ」
満足げに学年主任は去っていった。
「何がおほほだよ、全く…」
髪をかきあげて賢輔が言った。
「でも、そうだよね」
宴がポツリと言う。
「放課後残ってくれたり、掃除してくれたり…どうして?」
(どうしてって…)
賢輔は困る。言うわけにはいかないのだから、宴の傍にもっと居たいからなんて…
「困るのか?そーゆーことすると」
「違うよ、助かるよ?」
「じゃあそれでいいじゃねーか」
「それに、今日一度も私を使ってないし…」
「?パシリたいのか?」
「違うよー…」
賢輔はぽんぽんと宴の頭を叩く。
「そんな気分の時もあるんだよ」
窓際へ寄り、賢輔は外を眺めた。宴は彼に触れられた頭を押さえ、彼の後姿を見
つめる。
「私…」
賢輔が宴を振り返った。
「今の近藤くんの方が好きだよ」
賢輔はくすぐったそうに笑う。
「うるせーよ、ばーか」
えへへと宴も笑う。
ふ…と賢輔の顔に影がさした。名を呼び、抱き寄せたくなる気持ちをぐっと堪える。

「宴」

はっとする二人。
「また西門から下校なんだろ?迎えに…」
はた、と止まる勝平。
「わ…ごめん…」
「いいよ、勝ちゃん」
宴が勝平を振り返り、微笑んだ。
「もうバレてもいいんだ」
彼らは付き合っているのを周囲に隠していたのだ。賢輔に知れたら被害が勝平に
まで及んでしまうかもしれなかったから。でもその心配ももうないと感じたのだ
ろう。
「じゃあこれから一緒に登下校してもいいのか?」
勝平の言葉に宴が頷く。
「よかったぁっ」
思わず勝平がギュッと宴を抱きしめた。視線を逸らせる賢輔。
苦しかった。切なかった。彼の届かぬ思い…
心が芯から痛むのが分かった。
「…じゃあ俺帰るわ」
「あ…っ」
声をかける間もなく、彼は教室を出て行った。


「おい、これどうやるんだ?」
「え、えっとですねー…」
翌日の放課後、宴のクラスでは珍しい光景が見られた。賢輔がクラスメートに混
ざって仕事をしているのである。また、帰ろうとしていた生徒に賢輔が声をかけ
た(とゆーか脅したとゆーか…)ので、クラス全員が残っていた。
「凄いねぇ、今日は」
友人がその光景を眺めて言った。
「天変地異の前触れかなぁ」
「あはは、まさか」
宴が笑う。初めてこのクラスがしっかりまとまった気がした。


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