投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

脅迫文=恋文?の最初へ 脅迫文=恋文? 92 脅迫文=恋文? 94 脅迫文=恋文?の最後へ

=シリーズ番外編・白木麻衣と矢城孝之の修羅場-2

「どうしてよ?」
「いや、その…ね!?」
ねって言われても。
あぁ、もうじれったいわね。
「良いから、さっさと席に案内しなさい! クレームつけるわよ!」
客商売で、クレームと言う脅しは良く効く。観念した太田くんは、『……三名様入ります』と告げつつ、一番奥の席にアタシ達を案内する。
「ねぇねぇ。知り合い?」
案内されてる最中に友里恵が肩を叩いて聞いてきた。
「高校の時の同級生」
「なかなか良いじゃん。紹介して」
紹介してって。
「ダメダメ。あれは白雪の彼氏よ」
「白雪って……」
「ウル女の白雪ちゃん?」
友里恵に秋葉が続けて聞く。
彼女らは、何度か白雪に会っている。
「へぇ……。白雪ちゃん、彼氏いたんだぁ」
そう、すっごいバカップルだったもんねぇ。今もだけど。
「……こちらの席になります」
少し疲れた顔をした太田くんが、そう言った。
「ありがとう。それにしても、ここでバイトしてたなんてね。いつからしてるの?」
「あー、もう半年くらいかなぁ。まぁ、それはともかく」
「ともかく?なに、どうかした?」
妙に悲壮感を漂わせた表情になった太田くんが、話を切って耳打ちしてくる。
「今日、この場で何が起きても、俺は知らないから」
「へ?」
「忠告はしたから」
そう言った太田くんは、『お冷やをお持ちします』とちょっと強張った営業スマイルで離れていった。
「なに耳打ちされたの?」
「ん? 何でもないわ」
聞いてくる友里恵をかわして、平静を装いながら考える。
『何が起きても……』?
何かしら、嫌な予感が……ってやめやめ!
せっかく楽しみにしてたレストランなんだから。こんなこと考えてたら、気分が台無しになるわ。
「……ちょっと御手洗いに行ってくる」
忙しそうに走り回ってるウェイターの人に聞いて、トイレへと向かう。
あら………合コン?
『かんぱーい!!』
楽しそうにしちゃって、まぁアタシには孝之がいるからね〜。
「矢城くん、緊張してるの〜?」
………。
「そいつ、彼女に内緒で来てるんだぜ」…………。
「なっ、お前が飲み会に誘って来たから来たんだ。合コンだったら…」
……………。
「………ま、麻衣」
目の前の、見知らぬ女の子に寄り添われてる孝之がそう言った。
もう、何が何だかわからない……。
ただ、一つ言える事は…。
「アタシという彼女がいるというのに、何やってんだーーー!!」
「ぐげっ、く、く首が締まる!」
「わぁ、白木さん何やってんだ!? 孝之が青い顔してるから!酸欠してる!!」
「ぐええぇ……」
「うるさいっ!! 裏切り者の孝之を殺して、アタシも死ぬ!!!」
「わぁ、白木さんおちつ…ぐほっ」
その後の事はよく覚えてない。
アタシの事なんか、飽きちゃったのかなぁ。
あんなに仲良くて、愛し合ってたのに……。
孝之……。


脅迫文=恋文?の最初へ 脅迫文=恋文? 92 脅迫文=恋文? 94 脅迫文=恋文?の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前