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いつもの場所で
【青春 恋愛小説】

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いつもの場所で-2

次の日俺はなんとなく授業をサボって学校の裏庭にいた。
そこは人があまり来ない。来るのはガーデニングが趣味の校長くらいだ。
なんとなく、裏庭の芝生の上に寝転がって空を見上げた。
雲ひとつない空っと言いたいところだが、秋の到来を予感させるいわし雲がそこにはあった。
「夏も終わりだなぁ・・・・。」
残暑厳しいその日は最高気温が30度を超えていた。
芝生のいい香りが俺の心をくすぐる。
「この香り懐かしいな・・・。」
俺は中学の時にサッカーのユースチームにいた。
つまり、ゆくゆくはプロを目指せるってことだ。
でも、俺はやめた。
怪我をしたわけでもない。
技術が足りなかったわけでもない。
ただ・・・・ただ・・・・
無我夢中でサッカーをしていることに疲れただけ。
サッカーが嫌いになったわけでもない。
ただ・・・・突っ走りすぎて自分の気持ちが見えなくなっただけ・・・。
「サボり魔」
どこからかソプラノの声がして目を開けた。
「橋・・・本・・・?」
目を開けるとすぐをそこに橋本の顔があった。
「いつもここいるよね〜!暇な授業のときとか(笑)」
「うるせぇよ・・・」
俺は上半身を起こた。橋本は俺の隣に座った。
「体育祭どぉすんの?出ない気?」
俺らの学校では10月の体育の日に体育祭をやる。まぁ・・・。一般的だよな。
「出てもなぁ・・・。暇なだけだし」
「3年間ずっとそれを続ける気?高校の思い出なくなるよ?」
思い出か・・・・。
俺は中学の行事にほとんど出れなかった。ユースチームの試合やらと重なって。
レギュラーだった俺は出るしかなかった。
ホントは中学のほう優先したかったんだ・・・。
そのため、同級生からは天狗になってるやらなんやら言われたけどな・・・。
「橋本・・・俺・・・サッカーやってたんだぁ・・・・」
「へ?何いきなり・・・・部活で?」
「いや、ユースチーム。うまくいけばプロも狙えてさ。」
うまくいけば・・・・違う。俺は狙えてた。けどその道から外れた。
「怪我でもしたの?」
「いや、俺の心の問題。突っ走りすぎて見えなくなっちゃったからさ。」
なんで俺橋本に話してるんだろ・・・。隼にも吉田にも話したことないのに。
なんで橋本に・・・。凛華にだって・・・・。
「そっかぁ・・・。見えてきた?」
「え?」
「見えるようになりたいからサッカーやめたんじゃないの?」
見えるように・・・・?俺・・・・・何も考えてなかった・・・・。
ただただ・・・・サッカーから逃げてただけかも・・・・
「まだ・・・見えてない・・・。」
俺・・・見えるようになんなきゃな・・・・。
 
 
 
「ちょー高橋。」
「な・・・・なななんですか。秋坂くん」
高橋はAボーイ。いわゆる。ヲタクだ。でも、キャラ性から、みんなから煙たがれてはない。むしろバラエティーでいう出川のポジションを得ている。要はからかわれキャラってところだ。
「体育祭の種目俺出れるのある?」
その一言に教室がゆれた。
まぁ、入学して5ヶ月で気づきあげた俺のイメージはサボリ魔だからな。
みんな面倒な体育祭は避けるだろうと思っていたんだろ。
「えっとですネェ・・・。100メートル走とリレーが空いてます。」
ちなみに高橋は委員長だ。まぁ、どうしてなったかは想像してくれればわかるだろ。
「ぢゃ、それにでるわ。」
俺が作りたかった思い出、作らないとな。


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