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ふぉあしー
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ふぉあしーB〜黄昏に揺れる影〜-3

いつもと同じ日常。
いつもと同じ登校風景。

でもすぐに今まで“いつも”じゃなかったものが俺達に近付いて来る。

「駆、一緒に学校に行こ〜」

一週間ほど前から俺達の“いつも”に加わった咲姫先輩だ。
そしていつものように俺の腕を取り、自分の柔らかく豊かな胸に抱き寄せる。
恋人達がするように。
これを見た恵が取る行動も一週間前から全く変わらない。
咲姫先輩に対抗して、俺の反対の腕に自分の腕を絡めるのだ。
腕に押し付けられる双丘は咲姫先輩よりもこぶりだが、柔らかさと暖かさは決して負けてない。

こんな感じで両側から柔らかく暖かいものを押し付けられていたら、俺の理性も下半身も爆発してしまう!
でも二人はそんなことを全く考えずに俺と腕を組んだまま歩き続ける。
人の目とか気にならないのか?
俺なんか目が見えないのにも関わらず、他人の視線を痛いほど全身に感じるのに…
羨望、妬み、憎しみ、恨み、殺意etc
大部分は俺に向けられた負の感情だ。

こればっかりは一週間たった今でも全く慣れない。
っていうか日に日に増してきている気さえする。

俺は歩き続けた。
そしてついに学校まで耐えきった。
途中何度後ろから刺されるかと思ったことか!
昇降口で二人が俺の腕から離れてやっと生きている実感を得る。

「またね、駆!」

そうして俺達はそれぞれ自分の教室に向かうわけだが、ここからは何の変哲もない普通の高校生活なので、割愛させてもらおう。
そして話はいきなりこの日の放課後に跳ぶ。



俺は荷物をカバンに入れ、帰る支度をしていた。

「駆、美人の先輩が呼んでるぞ」

いよいよ帰ろうとした時に、クラスメートAに声をかけられた。

「俺はクラスメートAじゃねぇ!佐藤雄一だ!」
「ああ、悪い悪い。教えてくれてさんきゅーな、佐藤」

お前はもう二度と登場しないとは思うがな。
それにしても美人の先輩って咲姫先輩のことだよな?
部活に入っていない俺を訪ねてくる先輩なんて他に思い当たらないし。
でも一体何の用だ?

「咲姫先輩?」
「駆〜待ってたよ〜」

教室の扉の所で俺を待っていたのはやはり咲姫先輩だった。

「どうかしたんですか?俺の教室まで来て…」
「駆と一緒に帰りたいなぁって思って」
「なんだ、そんなことですか?あ、でも茶道部はいいんですか?」

咲姫先輩はこう見えても茶道部に所属している。

「うん、今日はお休みだから。それに放課後はあの女もいないし…」

あの女――恵はテニス部に所属しているから俺はいつも一人で帰宅しているのだ。
というわけで咲姫先輩と一緒に帰宅することになったのだが、先輩の様子がちょっと変だ。
さっきまではいつも通りだったのに…
あまり話さないけど、何か言いたそうにしている。


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