投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

ふたりの最初へ ふたり 30 ふたり 32 ふたりの最後へ

ふたり【エリカ2・14】-4

「ウソつけ! 休み時間はボーっとしてるくせに(笑) それに、あや姉がそんなこと言うわけねぇだろが。」

「ありゃ、バレた?」

ふたり共笑って視線を前に戻した。

……危なかった。もうちょっとで言っちゃうとこだった。

………あっ、そういえばまだチョコ渡してない。
……どうしよ…



『ふれあい公園』
ここを横切ると近道。
家に着くまであと10分。


「綺麗だ……」
「ぅん? なにが?」

「ほら、広場。」
「……うわぁ…」

いつも横切る広場には、大きくて真っ白な雪の絨毯。
未だ誰も踏み入れていないそれは、美しく幻想的に見えた。

しばらく誰も入っていなかったのだろう。 靴が半分埋もれる程の雪が積もっている。


=サクッサクッサクッ=

表面はふわっとした雪だが、下に行くにつれて固くなる。
歩を進めるたびに心地好い足音が 見渡す限り真っ白な広場と空に響いた。


……端からみたら恋人同士に見えるんだろうなぁ

エリカはこのふたりだけの世界が楽しくて、自然と笑みをこぼしていた。



「エリカ、見てみ。」

広場の半分位まで進んだ。 ユキは上体を少しひねって後ろを見ていた。

「……ん……なにかあるの?」
さっきまで見ていた光景となんら変わりない。

「下、下。」
ユキが指を差して言う。

「した……?」

そこには

同じ歩幅で 同じ間隔で 同じ大きさで

ふたりだけで刻んだ足跡が延々と続いていた。


あたしはそれに目を奪われた。


ふたりの最初へ ふたり 30 ふたり 32 ふたりの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前