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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【エリカ2・14】-3

「ハハッ、ハァ、ハァ………フゥーーッ ……行こっか、エリカ。」
遊輝は手を差し出す。

戸惑った表情を見せるエリカ

「……今日は手袋忘れてきたんだよ。こう寒くちゃ手、かじかんじゃうだろ?」

ユキはそう言うとあたしの手をなかば強引に掴み、引っ張る。
なぜか顔は別の方を向いている。

「あっ…」


驚いて声を出してしまった。ユキがはっとしたような顔で振り返る。
ユキはいつもよりちょっとだけ頬を赤く染めていた。

時が止まる。。

……ユキのこんな表情、見たことないよ。
真剣な……だけど心のどこかで躊躇しているような……

なんにしても、あたしの心臓は高鳴りっぱなし。
だって好きな人と手繋いで見つめ合ってるんだよ? このシュチュエーションヤバすぎ………
絶対、顔紅くなってるよ


「いっい〜、行こっか」

耐え切れなかった。
あたしは繋いだ手をそのままに、ユキを引っ張るように歩き始めた。

これ以上ユキの顔を見ていられなかった。
……おかしくなっちゃいそうで。

あたし達はしばらく黙って歩いた。
それはまるで付き合い始めたばかりの初々しいカップルのようで………

あたしはユキに真っ赤な顔を見られたくなくて、薄く雪の積もった地面ばかり見て歩いた。


「エリカ」

「──はい!?」
あまりに突然すぎて、あたしは声を裏返らせて顔を上げた。

ユキの視線は前に向いたままだった。


「……エリカさ、最近学校で大人しくない? 今までは休み時間になるたび騒いでたのに」

あたしは視線を下に戻す。

「……ユキのせいだよ」
…だって家では一緒にいられるけど、学校ではそうはいかないじゃない。
ユキと離れてる時はユキのことばっかり考えてるんだもん。それじゃ大人しくもなるよ。

「・・えぇ!?」

ユキがこっちを向いたのが横目で見えた。

「……だって」
あなたが好きだから。


「だってユキがテストでいっつも一番ばっかりとるから、 お母さんが『ユキ頑張ってんだからあんたももっと勉強しな!!』ってうるさいんだもん! だから勉強頑張ってんの!」

ユキの顔を見る。目が合うとユキは笑った。


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