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「雨のち虹」第0話「Start」-2

「そういえば 天音先輩はどうしたんですか?同じクラスですよね?」
すずちゃんがきいてきた。
「ああ、あいつなら−・・」
言いかけると・・狙ったかのようなタイミングで
「ちーす!!元気してる!?みんな!」
いきなりハイテンションで部室に入ってきたのは天音蓮 (あまおと れん)幼馴染み、高二 テンションが高すぎて ノリがよすぎてなんか 逆に対応に困るみたいな・・
基本的にうちの部活は変なのしか集まらない、
すずちゃんがまるで 違う生物をみるような目で蓮を見ている、
まぁわからないでもないが
「蓮さんキミはもう少し大人しい登場が出来ないのかな?」
「先輩、キャラが壊れてますよ…」
「あー!すずちゃん私もそれ思った!今日の 空おかしいよね!なんか久しぶりに意見が合ったね!」
そんな事をいいながらすごいスピードですずちゃんに飛びついていた、
「や・・・うっ」華奢な すずちゃんは瞬くまに 蓮の下敷きだった、蓮的には体が小さな彼女は妹 またはおもちゃのように 見えてるらしい・・蓮の下ですずちゃんが殺気だっているのはあえて言わない事にしよう、てゆーか僕のキャラを犠牲にまでした質問はほとんど無視なんだ・・嫌われてんのか?
「いやーほとんど無視だったねドンマイ!」
状況を見守っていた宗が楽しそうに言った。
「はげましてるつもりかもしれんが、僕は傷をえぐられた気分だ!」
と・・まぁこんな感じで、僕らは今、平和に過ごしている。だがお悩み相談なんて事をしていると 悲しいことも危険な事もある、あくまで悩みをきいて解決するのが目的だから、厄介事にも巻き込まれる、それを承知でこんな事をやっているのだ、物好きにもほどがある。
一番酔狂なのは僕らかもしれない、他の学生からも僕らは頼りにされる。悩みさえあれば厄介事に飛びこむ勇気があるから厄介事は自分が傍観していても勝手に解決してくれるから、そりゃ傍観者に徹底したい人にはありがたいだろう、だから僕らはみんなから「物好き屋」と呼ばれる厄介事にわざわざ巻き込まれてゆくから、この部活に入った人はみんな個性が強い、
だが共通点がある、
傍観者になることに飽きた人と、それでいてたくさんの人と触れ合いたい人とか、僕はその両者、いつも頭の中で卑屈になるのは、悪い癖だ、
「先輩・・助けて下さい・・」
蓮に四苦八苦していたすずちゃんからいつの間にかヘルプが入っていた
「蓮!そろそろやめないとすずちゃんが圧死する!」
そう言うと蓮はいやいやのきながら
「いやー!すずちゃんと遊ぶの楽しかった!」と満足したようだ
まぁまるく収まってよかった!
「ありがとうございます先輩・・!」
すずちゃんはくったくのない魅力的な笑顔をしていた。
こんな時だけ・・全く調子のいい子だな!
こんなすずちゃんも2ヶ月前には、相談する側だった、
今も雨がふると少し思いだす。
多分すずちゃんも、
彼女との出会い、そして勝手に巻き込まれに行った、悲劇から生まれた狂気を−




「次回予告」
重なる不幸、私は世界にきらわれた
そうおもわざるを得なかった、そこから出してくれたのは、クラスメートと厄介事に首を突っ込む三人組み
 
「物好き屋」、
次回
第一章「雨のち虹」 1話「アンラッキー」


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