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One day.
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One day.-1

「ねぇ、私が別れようって言ったら、どうする?」
ある日付き合って2年になる彼女が突然そう言った。
「…え?別れるの?」
「違うよ、もしもの話。」
笑っているところ見ると冗談の一種だということは分かった。
でもなぜか茶化す気になれず、真剣に答えた。
「理由によっては別れるよ。だけど俺に悪いとこがあって、そこが嫌になったって言うなら、頑張って直すからって引き止める。」
なんで?と聞くとそれまで真顔で聞いていた彼女がフッと微笑んだ。
「どーすんのかなぁと思って。すぐイイよって言うようならこの場で別れようと思った。」
サラっと恐いことを言いながら彼女は笑った。
「じゃぁ、俺が別れようって言ったら?」
俺は彼女の「答え」が聞きたかった。
まぁすぐ別れるって言われたら恐いけど(笑)
「んー、場合によるわね。私に欠点があるんならすぐ別れるけど、他に好きな人がいるとかだったら絶対別れない。ってか相手の女と別れさす!」
予想外すぎる答えに俺は驚いた。
「普通…逆じゃない?」
「まぁね。でも私は私はあなたの好みに合わせるつもりないし。」
彼女らしいと言えば彼女らしい答えである。
「それに…他に好きな人ができたなんて許せないもの。2人にはとことん不幸になってもらうわ。せめて私に好きな人ができるまでは嫌がらせを続けるし、もしかしたら結婚してでも2人をくっつけまいと頑張るかもね。」
相手の女にもよるけど、と言いながら不敵に笑う彼女はちょっと恐い。
「恐いなぁ…」
俺は苦笑いでそう言った。
「でも女ってそんなもんよ?まぁ、私がちょっと特殊なのかもしれないけど。」
ちょっとどころじゃないでしょって思ったけど口には出せない。
「で、俺は別れようって言われるの?」
今度は冗談めかして言ってみた。
すると彼女は真顔でこう答えた。
「は?そんなわけないでしょ?私はあなたを愛してるんだから。一生手放すつもりないわよ。」
あぁ、やっぱ彼女にはかなわないな。
こんなことを人目を気にせずさらっと言えてしまう彼女にかなうはずがないんだけど。
「こっちが赤くなっちゃうよ…。」
たぶん耳まで赤くなっているだろう自分の顔を隠すように俯いて俺は一言呟いた。

「俺も愛してる。」


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