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バトンタッチ。
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バトンタッチ。-2

雲が消えていくようだった。 
何かを吐き出した。 
それは心のモヤモヤなねか幼かった自分の価値観なのかはわからない。 

とにかく、誰かに託そう。その為に生きようを決めた。 

確かなばぁちゃんからの
バトンタッチ。 

皺くちゃで優しくて丸くて暖かいばぁちゃんの手からのバトンタッチ。 

それが今も胸に生き続けている。 
肉体が滅びても、 
完全な消去ではないんだと感じた。 

生きよう。 
今を無駄にしないように。

時は流れる。 
否応なしに。 

おれは22歳になった。 
職場を決めるときの迷いはなかった。 

誰かに何かを託せる仕事。 
教師になることをおれは選んだ。 
それも学校ではなく、塾の。 

周りの人間は口々に 
「おまえみたいな馬鹿が先生なんざやれるわけない」と言う。

自分だってそう思ったさ。 
学もない粗野で品にも欠ける馬鹿丸出しのおれに何ができるんだと。 

でも突き進んだ。 
落ちて落ちて落ちまくっても突き進んだ。 

やっとなんとか一つ引っ掛かった。   

ユースサン学院。 

教育理念は
『子供の将来に光を』

間違っても失敗しても構わない。 
それでもへこたれず、 
前を向いていけるガッツのある子供たちを育てよう。という理念があった。 

頭が良いだけの大人は作っちゃいけない。 
思いやりがあって人間味ある、泥くさいと言われてもあったかい教育をしていこうじゃないか! 
この会社の考えが大好きになった。 

子供と本気で向き合おう。ぶつかり合って、腹割って話して絆を深めよう。 

人にものを教えたことが全くないおれでも、何かがやれる気がした。 


4月。 
おれの赴任先の教室へ始めていった日のことは今でも忘れられない。 

ガラガラと扉を開けると、そこが今まで見てきた風景とはまるで違っていた。 
笑いがある。 
活気がある。 
子供たちの目がくすぶってなかった。 
輝いていた。 


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