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《魔王のウツワ》
【コメディ 恋愛小説】

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《魔王のウツワ・6》-5

「パスタでいいか…」

鍋に水を張り、火にかける。

「姫野も…食うかな…」

しばらくして、沸騰したお湯に塩少々を入れ、スパゲティを3人分茹でる。
同時にフライパンでベーコンを炒め、生クリーム、卵を溶き入れ、胡椒などで味を調える。

「そろそろか…」

鍋からスパゲティを一本取りだし、味見する。

「よし…」

仕上がりは上々。僅かに芯の残ったアルデンテ。これなら姫野に出しても恥ずかしくない。
最後にソースを絡ませ、完成。『多分…カルボナーラ』。
本物のカルボナーラを食べたことがないから…多分だ…

「終わり」
「ナァ!」

足下でノワールがふて腐れた様に鳴いた。

「悪い…お前もか」

平皿を持ち、冷蔵庫から取り出した牛乳を注ぐ。

「あ、いい匂い♪」
「まだ待て。姫野も食べるかどうか聞いてからだ」

つまみ食いを試みた母親を窘める。どっちが保護者なんだか…

「はいはい…ったく…口うるさくなっちゃって…昔はもっと可愛かったのに…ああ、なんて月日は残酷なの…」

自分の昔の服を持ち、やや芝居掛かった口調で脱衣所に向かった。

「澪ちゃんもご飯食べてくよね?」

しばらくして…

「食べてくって♪」
「そうか、分かった」

良かった…

「あんた澪ちゃんの素顔って見たことある?」

唐突に母親が聞いていた。

「いや…」
「でしょうね、朴念仁のあんたならそう言うと思ったわ♪」

そう言って脱衣所に手を伸ばし、ぐいっと引っ張った。

「はい、ご対面♪」

その腕の先には、髪を纏め上げた少しタレ目気味の大きな瞳を持った…可愛い少…じょ…が……

「──!!」

開いた口は塞がらず、目は可愛い容貌に釘付けになる…

「…ひ、姫野…」

俺の脳に命じる!今ある現実を理解せよ!
今時、漫画でもこんな展開は少ないぞ!


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