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tomoka〜Kana
【純愛 恋愛小説】

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tomoka〜Kana-3

どうしてこんなに気分が弾むんだろ。実といるとなんだか…心地いいんだよね。
―これって恋、なのかな。んーでも…
ほどよく酔った頭で考えてみる。
チガウヨ。コレハコイジャナイ。
―2個下だし。あたしサークル内じゃバツイチだし。
せっかく仲良くなれたのに。これじゃダメだよね。
実はみんなに優しいんだよ。あたしだけじゃないんだ。きっとね。
カンチガイシチャダメダヨ。
頭の中で誰かが警告してくる。
―そんなの、言われなくたって分かってるよ。もう子供じゃないんだから。


「香さん、ちょっといいすか?」
二次会が始まってしばらくした時に、珍しく実から声をかけてきた。隣にいるあたしには目もくれずに、香といっしょにどこかに行く実の後ろ姿を見送る。
「なになにアイツ、告白でもしに行った?」
酔っ払った友達があたしにそう告げる。告白?
「実って香のこと好きだったんだ…」
「さぁ。でもなんか深刻な感じじゃなかった?」
実が香を。実が香を好き。実が香に告白する。
なんでだろう。すごく、すごく嫌だった。
それから気がつくと一次会の倍のペースでグラスを空けていて、意識を取り戻したときには自分の部屋のベッドで寝ていたのだった。


──────────────────
そこまで思い出すと自分に問い掛けてみる。
―あたしは実が好きなの?
実が、好き。
そう実に告げた時のことを無意識の内に想像してしまって…それを振り払うようにブンブンと頭を振っていたら、隣の席でノートを取っていた香に怪訝な顔で見られた。
(どうしたの?)
授業中ということもあって、声には出さずにそう問い掛ける香。
あたしは何でもない。という意味をこめて、今度は軽く首を横に振る。
まだいぶかしげな視線を香は送ってきたけど、あたしは教授の話に聞き入っているふうを装い、それをやりすごした。
―でも実、香のこと好きなのかな…
昨日の2人の後ろ姿がまぶたの裏に浮かんでは消える。
―香は実のことどう思ってるんだろう。香だってそろそろ別の人好きになったっていい頃だと思うし。実のことカワイイっていつも言ってるし…。

香って、十分キレイな人の部類に入るよね。白い肌、黒いキレイな髪。キリッとした奥二重だからか、少しキツそうに思われがちだけど、そんなことないことはあたしが一番良く知ってる。服装も落ち着いたお姉さんって感じだし…。あんまりそういう目で見たことは無かったけれど、よく見たら香って結構いい女なんじゃない?
(なに??)
あまりにもマジマジと見つめていたあたしの気配を察したのか、香は目で尋ねた。
「香っていい女だなぁ…と思ってね。」
(はぁ?)
いきなりそんなことを言い出した友人に対して、眉間に皺を寄せて不信の念を表現する香。
その顔が面白くて思わず笑ってしまったら、教授と香から冷たい視線を浴びた。


無事に授業の終わりを迎えると、2人で少し遅いお昼を取るために学校の近くにあるお店に向かう。学校から歩いて10分ほどでつくそのお店は、オムライスが美味しいことで有名で。
イタリア語で“光”を意味するLUCEという名前の店内は、お昼時になると近くのOLや学生でいっぱいになる。
「も〜、さっきの何だったの?」
ぶちぶちと文句を言っている割には、顔は大して怒っていない香。
「ごめん、ちょっと思い出し笑いしちゃって。」
その様子にホッとしながら、あたしは香に昨日感じたことを言おうか迷っていた。


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