投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

tomoka〜Kana
【純愛 恋愛小説】

tomoka〜Kanaの最初へ tomoka〜Kana 5 tomoka〜Kana 7 tomoka〜Kanaの最後へ

tomoka〜Kana-6

「泣かないで?俺じゃダメですか?」
心配したそうな実の声に、ブンブンと必死に頭を横に振る。
「すごい考えたんですよ。今年でかなさん実家帰っちゃうし。遠距離できんのかな…とか。オレまだ学生だし。それ以前にかなさんはオレのこと好きなのか?!とか。」
うん。うん。実の一言一言に頷く。
「でも、やっぱ好きなんだ。かなさんのこと。意地っ張りだったり、じつは面倒見良かったり、笑うとクシャってなるかなさんが好きなんです。俺。」
「だから」
実の顔、初めてこんなに間近で見た気がする。
「オレと付き合ってください」
「…うん。」
「……ぃよっしゃー!!!」
飛び上がらんばかりにはしゃぐ実に、あたしの目は丸くなる。
さっきまで片思いだって、別な人のこと好きだから諦めなきゃ…って思ってたのに。
実を見ていたら、さっきまで悩んでいた自分が馬鹿みたいに思えて、ぽろぽろ涙をこぼしながらあたしは笑った。



「ねぇ、そういえばさ。飲み会のとき香と何話してたの?」
付き合い始めてから1週間が経ったころ、あたしはずっと気になっていたことを聞いてみた。
「え、……ひみつです。」
「あっ!また敬語使った。罰金100円ね。」
2人のときは実に敬語禁止令を出してるんです。
「…」
「それで?」
実から預かった100円玉を豚さんの貯金箱に入れながら、あたしはもう一度尋ねる。
「…だから、相談してたんです!」
「何を??」
「どこまで鈍いんだこの人は。」
「バカにしたな〜」
「イタイイタイイタイ…」

ケンカもたまにするけど、やっぱりあたしはこの実の作った空間が大好きです。
実もあたしの空間が好きだといいんだけど…
実のほっぺたをつねりながらそんなことを考えるあたし。
「実、」
「ん?」
顔を近づけて、その顔の中にある赤い果実を味見してみる。
「好きだよ?」
みるみる内に真っ赤になる実。はじめて触れた唇の味は、あたしの中だけの秘密にしておきます。


tomoka〜Kanaの最初へ tomoka〜Kana 5 tomoka〜Kana 7 tomoka〜Kanaの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前