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恋する日々
【学園物 恋愛小説】

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恋する日々〜磯寒菊〜-8

「………」
「ん?どうした誠、変な汗かいてるぞ?」
「いや…なんでもない。気にするな」
「席はそうだな…工藤の隣が空いているからそこにでも座れ」
「はい」
指定された席に向かう由佳里。誠の汗は量を増すばかりだった。
「よろしくね、えっと…?」
「工藤信太。よろしくな、お隣りさん。こっちの固まってんのは神那誠、いつもはこんなんじゃ…」
「やっぱり!」
「へ?」
由佳里は誠の名前を聞いた途端、手を合わせ嬉しそうに笑う。
「銀髪だからもしかしたらって思ったけどやっぱり神那君だ!」
「お…おぅ、しばらく」
ギギッ…と古いブリキのおもちゃの様な動きで挨拶をする誠。嬉しそうな由佳里とは違いどこか気まずそうな顔をしていた。
「ありゃりゃ?なんか知り合いみたいだね」
「でも…なんか様子が変だよ?」
後ろの席にいるあやな達がボソボソと話す。
「そりゃそうだろうね。だって由佳里は…」
「由佳里は?」
「一番最初に誠がフラれた人…つまりは誠の初恋の人だから」
夏と共に昔がやってきた。神那誠にとって今までとは違う夏がやってきた。太陽は暑さを増し人も花も容赦なく照らしていた。


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