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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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妻を他人に (11) 二度目の貸し出し-2

 ショートパンツに無骨な手が差し込まれる。ショーツの内側へ侵入したその手は、汗と愛液と体温で蒸らされたアンダーヘアをかき分け花びらを開く。

 クチュ、クチュリ――。

 自らの股間が発する「イエス」のサインに、ゆきの頬は熱く火照る。恥ずかしさに身を固くするゆきの衣類をZは器用に引き剥がす。人妻がついに下着姿となった。

「今日は白なんですね。すごく可愛いです」
「ゃあ……あんまり見ないで……」
「可愛くて、ちょっとエッチです」
「んん…………」

 あれこれ迷った挙げ句にチョイスした下着を褒められるのも恥ずかしいし、人妻らしくうっすら脂肪をまとった肢体を見られるのも恥ずかしい。
 今日の下着は初めての貸し出しのあと少し奮発して購入したものだ。別にZとの「次」を考えたわけではない。しかし心の何処かで大人の女性として「きちんとした」ものを用意しておきたいという気持ちが働いたのは否定できない。男性に見られることを意識した下着を購入したのは不倫に明け暮れていたあの頃以来のことで、夫にはだから、なんとなく言えなかった。
 そんな下着を、他の男に見られている。Zはゆきの少し汗ばんだ身体を撫で、下着に手を這わす。

「シンプルなのに、よく見ると刺繍やレースが可愛いです」
「ゆきさんの形の良いおっぱいとお尻が、もっと魅力的に見える」
「お尻もおっぱいも見えそうで見えない。やばい興奮しちゃいます」
「エッチなのに、でも品があって僕こういうの大好き。ゆきさんセンスいいな」

 試着したときゆきが気に入ったポイントを、怖いくらい的確に突いてくるZ。プレイボーイの手の内とわかっていても、やはり嬉しい。そして同じくらい恥ずかしい。

「どうしようゆきさん。脱がしたいのに脱がしたくないよ」

 Zの言葉にふふと口元が緩む。じっくり吟味した「勝負下着」をドキドキしながら着用しセックスに臨んだ女性に対し、これ以上の称賛の言葉があるだろうか。恥ずかしさは変わらないが、そこまで褒めてくれるのならもっと見てほしい、触ってほしいと、つい思ってしまう。Zの手は、そんなゆきの気持ちに応えるように、太ももから股間を丁寧に撫で回し、ヒップと腰回りをじっくりと往復し、乳房を包み優しく揉み上げる。

「この下着、ゆきさんの白い肌によく似合ってる。なんだか素敵な表情のある白ですね」
「Zくん知ってる? 白ってね、二百色あるんだよ?」

 どこかで聞きかじった冗談を思わず口にしてしまう。笑い合う二人。Zとの行為中に笑ったのは初めてだなと、ふと思った。褒めてほしいところを褒められて、少しいい気分になっている。
 目尻にきゅっと皺を寄せ口元をほころばせたゆきの唇に、Zの唇が重ねられた。なにこれ。ちょっといい雰囲気。緩んだ唇を割って侵入してきたZの舌に、ゆきも控えめに舌を絡めてみる。少しきつく抱きしめられた。下半身からじわりと、熱いものが染み出した。昂る気持ちのままに、ゆきもZの背中に手を回す。男の隆起した筋肉と胸板の厚みにドキリとした。

「ゆきさんの今の表情、とっても可愛いです」
 人妻の身でありながら、夫以外の異性に一瞬ときめいてしまった心を見透かされた気がして顔がかあっと熱くなる。
「可愛い……って言われて照れてます? ふふふ」
 火照った顔もバレてしまった。ああ、もう! 調子狂うな。さっきからこれではまるで、恋人同士のようではないか。
「あれ? 耳まで赤くなった……ゆきさん、可愛すぎます……!」
 キスと同時にZの手が股間にあてがわれる。
「ん……んん……ぁああ!」
 強弱を自在に操り、ショーツの上から繊細な刺激を与えてくる。
「あっ! ぁああ! ぁああ……だめ……ダメダメ……ぁあ!」
 刺すような鋭い快感がゆきを襲う。予期しない急激な高まりにうろたえる。
「ぁあ……あれ……あれ? ぁあああ! やだっ……ぁあああだめだめ……ねぇ……だめ、ぁあぁああああ……っ!」
 Zは人妻を容赦しない。
 舌を絡めながらクリトリスを圧迫され、心ならずも羞恥の高峰を駆け上がってしまうゆき。
「ねぇ、ちょっと……ぁあああ待って! ぁあああだめだめだめ待って! ねぇ……ぁあああだめだめ! ぁあああぁああああっくぅ……!」

 ゆきはイった。
 ショーツの中で人妻の花びらが開き、甘酸っぱい蜜をブチュリと吐き出した。

  *

「ん? なんのこと? 知らない……」

 一分ともたずイかされてしまったことをZに指摘され、すっとぼけて見せるゆき。今日は笑いなどを交えリラックスした気分でZとの時間を過ごしてしまっている。もっと事務的、機械的に抱かれる予定だったのに。

「ゆきさん……チュ……」
「んん……チュ……」

 キスの回数も多い。
 唇を重ねるたびに、ゆきの胸はちくりと痛む。初めての貸し出しのとき、快楽には到底抗えないことを悟ったゆきはせめて心は持っていかれぬようキスだけは極力避けた。頼まれてしていることとはいえ、夫以外の異性との時間そのものを楽しんではいけないと考えていたからだ。それなのに今日はなんだか少し楽しんでしまっているし、キスされると心が弾む。

「ゆきさんてさ、キスのとき唇尖らせてて可愛いよね……チュ……」
「んーーもう……! ん……ぁむ……」

 昔からよく言われる。ということは自分のキスは変なんだろうけど、相手の男の人が皆「可愛い」と甘やかすので変なキスのまま結局この歳になってしまった。もちろん一番甘やかしてくるのは夫。ねぇ、パパ? あなた以外の人と唇尖らせたキスをしてしまって、ごめんなさい。Zくんに可愛いって言われて少しうれしくなってしまって、ごめんなさい。

「んん……ん……チュ、チュウ……」


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