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Breather
【二次創作 官能小説】

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Breather-12

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ーーーーフィガロ城地下


ーーーー宝物庫






「ーーーーやはり、久しぶりのフィガロ城。以前のままの場所もあれば、大幅に変わったところもあり・・・・さて、この宝物庫はどうでしょうな」




セリスとともに城内を巡る最後の場所となった宝物庫の入口で領主は感慨深けにひとりごちた。

この直前に訓練場でセリスの1対1の撃剣の相手を務め、互いに額や髪の汗を拭いながらここまでやって来たのだ。


セリスも城内の案内前に着替えていたおなじみの出で立ちーーー青いチューブトップに黄色い生地で編まれたパンツルック風の戦闘服に革のブーツーーーで扉の前にいる。

胸元から僅かに見えている胸の谷間にもじんわり汗が滲み、知らず知らずのうちに濃い体臭がほんわりと漂ってきていた。





「・・・・貴方もここには以前?」



「ええ。先代王に連れられて何度か。相当の年代物が多かった気がしますが、あの時よりも価値のある物が増えたことでしょう」



「・・・・・・・・」




傍らの領主の軽い口調にはあえて答えず、
セリスは無言のままで宝物庫の鍵穴に鍵を差し込み回していた。




ーーーーガチャガチャッ・・・・・



ーーーーギイイイィィ・・・・・・




錆びついたような独特の金属音とともに、古めかしい分厚い木と鉄の扉がゆっくりと開いていく。

セリスは領主に先立つ形で室内に足を踏み入れ、
部屋の隅に据え付けられた取手を上から下に倒す。

広い空間の要所に規則的な間隔で設置されていた小さな照明がほぼ同時に灯され、今まで漆黒の闇だった倉庫の中がぼんやりとだがその輪郭を露わにした。

ここには王妃になってからセリス自身の宝物や私物も保管している。

その中には領主を含めセリスと出逢ってきた男達からの“献上品”も含まれる。
無論セリスとしては門外不出の品々であり、
ここで領主にも話す気はない。

もっとも領主自身保管物にはそれなりに感想を口にしつつ、そちらには特に関心がないような口調だった。





「ほう・・・・・確かに棚の配置も変わり中身も増えたようだ」



先導するセリスの背後で領主が感嘆の声を上げる。
この区画はエドガー時代に改修されているので、領主としても初めて目にする場所になるのだろう。

ただセリスとしては宝物庫に入ってから今まで、保管品の説明を含め一言も言葉を発していない。
領主の方もその点には触れずに、自分の感想を一人言のように口にするだけだ。



(・・・・・・・・)



そもそもセリスが領主を宝物庫に案内してきたのも薄々予感があったからだ。

自分同様の想いがあるならば、他人のいない場所の方が良いのでは、と。


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