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メダイユ国物語
【ファンタジー 官能小説】

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幕間 その一-4

        2

 その日の午後、王女マレーナは、城にほど近い墓地にいた。歴代の王族とその従者たちの眠る共同墓地である。

 あの後、国王に続き四名の政治家たちも立て続けに処刑された。そして彼らの遺体はすぐにここへ運ばれ埋葬された。

 国王が死んだのである。本来であれば、国を挙げての式典が執り行われるはずだった。だが、その直前にこの国の指導者はすでに交代していた。そのため、バルトロ・イェンネフェルトは『元国王』とされ、罪人として処刑されたため、国民には訃報が知らされることもなくひっそりと葬られることになった。

 それでも、オズベリヒは最後の情けとして、先祖代々が眠るこの墓地に埋葬することを許したのである。

 昨日死んだ、いや殺された侍女のグレンナも、この墓地の片隅に埋葬された。マレーナは生き残った使用人たちに懇願し、彼女の遺体をここまで運んでもらった。

 あまりにも急なことだったため、墓石や墓標も用意されていない、そんな質素な墓の前に跪き、マレーナと侍女二人は時が経つのも忘れ、いつまでもグレンナに祈りを捧げた。

「お時間です。お城へお戻りください」

 見張りを兼ねたユゲイアの兵士は、彼女らに無情な声を掛けた。

「オズベリヒに会わせなさい」

 立ち上がりながら、マレーナはその兵士に向かって言った。彼女には、どうしても確かめたいことがあったからだ。


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