投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

楓南と恵未
【ラブコメ 官能小説】

楓南と恵未 の最初へ 楓南と恵未  7 楓南と恵未  9 楓南と恵未 の最後へ

楓南と恵未 -8

 俺は連日の激しいセックスで疲労困憊し、精魂尽き果ててベッドに突っ伏して大きな息を弾ませていた。
そして楓南も俺の横で目もうつろに、放心状態で四肢を投げ出して横たわっていた。
しばらくしてまだ息を弾ませながら楓南が口を開いた。
「お願い、少し水飲ませて。」
「うん、ちょっと待ってて。」
俺は昨日と同じように冷蔵庫から水のペットボトルを持ってきて、口移しで楓南に与えた。
楓南は美味しそうにゴクゴクッと飲み、一息ついて
「はぁーッ、すごかった。もうどうにかなりそう。」
「楓南が素敵だったからだよ。」
「腰から下がだるくて起き上がれそうにないから、今日はこのまま泊まっていこうかな。」
「えっ!?」
「だめ?」
「うん、泊まるのはちょっとまずいな。後で途中まで送っていくから、もうしばらく横になってるといいよ。」
「うん、眠くなっちゃった。」
しばらくするとスースー寝息が聞こえてきたので、俺はそっと起き上がり、身繕いをした。

 しかし情欲の嵐が去って賢者タイムを迎え、改めて落ち着いて考えてみると、楓南の勢いに負けたとは言え、とんでもないことになってしまったことに気づき、今後の展開を考えると頭の中は真っ白になってしまった。
楓南を抱いたことが恵未にバレたら元の木阿弥、昨日の話しが全て消え去ってしまう。
その結果もし恵未と離婚することになったとしても、楓南との関係も絶対に認めてくれることはないだろう。困った。

 不安な気持ちでいっぱいになり、頭を抱えていると突然携帯の呼び出し音が鳴り始めた。
恵未からだ! 心臓がバクバクと大きく脈動を始めた。
「もしもし、どうしたの?」
「これからそちらに行こうと思うんだけど、荷物が多いから駅まで迎えに来てくれない?スーパーで少し買物もして行きたいし。」
「う・うん、わかった。」
「あと20分くらいで着くと思うからおねがい。」
「はい、じゃ後でね。」

チョーやばい! 早く楓南を起こして帰さなきゃ! 俺は寝室に飛んでいった。
「楓南、起きてっ!」
「う〜ん、なぁに?」
「恵未が来るから早く起きて出ていって!」
俺は大げさではなく、姉妹がここで鉢合わせする恐怖に直面して顔面蒼白になっていた。
「ふぅん、このまま待ってるわ。」
「冗談じゃない。とんでもない修羅場になっちゃうよ、早くして! お願い!」
必死の思いで懇願した。
「しょうがないなぁ。」
楓南はノロノロと上体を起こし、裸の胸を露わにした。
「俺、これから駅まで迎えに行ってできるだけ時間を稼ぐから、途中で会わないようにね。」
「う〜ん、いいわよ。」
「鍵はこのスペアキーを使って。」
「やったー、これでいつでも入れるわ。うれしいな。」
「それじゃ俺、駅まで行くから何も残さないよう、くれぐれも頼んだからね。」
「は〜い。」
楓南は満足して上機嫌で返事した。


 俺はマンションを飛び出して駅まで急行し、合流した恵未とスーパーでゆっくり時間をかけて買物をして帰ってきた。
楓南が情事の痕跡を残さず出て行っているか、マンションに近づくと不安で心臓がまたまたバクバクと大きな音を立て始めた。
しかし玄関のドアを開けて中に入ってみると室内はきれいに片付けてあったので一応ホッとしたのだが…、俺のあとに続いて恵未が入ってくると
「ん? なにか化粧品の匂い?」
鼻をクンクンと匂いを嗅いだのだ。
俺は一瞬ドキッとしたのだが
「ふ〜ん、昨日の恵未が残した匂いじゃないの? 俺にはわからないけど。」
と平静を装ってごまかした。しかし
「ううん、私のじゃない。今日誰か来たの?」
鋭い! 緊張して声が震えてくる。
「え、だ・誰も来てないよ。」
「そう? ふ〜ん。」
納得してない様子だ。まずい、ソワソワしてくる。
そして声のトーンを落として言った。
「あなたは昔からウソをつけない人なのよね。」
恵未は俺をじっと見つめる。その気迫に押されて、つい目をそらしてしまった。



楓南と恵未 の最初へ 楓南と恵未  7 楓南と恵未  9 楓南と恵未 の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前