憧れの家族-8
「わたし、割りと本気よ?」
理恵は真顔でそう答えると、
「でも、さすがに今すぐにって話じゃないわ。まだ中学生の子供だもの」
と続けた。
「茉由が成人してからってことだよね? 驚いたよ」
だとしても、父娘でそういう行為は如何なものかと、武司は思った。
「一応は考えておくけど、茉由に素敵な彼氏が出来た場合は、二人に任せた方がいいと思う」
「フフ」
理恵が笑いかける。なにか可笑しいことを言ったのかと、武司は彼女を見る。
「ごめんなさい。ちゃんとしたお父さんになったんだなって思ったら、ちょっと可笑しくなって」
「――そうかな」
「そうよ」
二人は自然と身を寄せ合い、口唇を重ね合わせた。