嫉妬少女１-4
「あっ…そんな…っ…いきなり…」
沙綾さんの声だわ！
一人じゃないの？
「…何いってるんだ…沙綾。ずっと欲しかったんだろ？」
男の声？！
まさか！！
聞き覚えのある囁きめいた声。
あいつなの？！
そこで何してるの！？
こわくて声がでないよ！！
ぱちん、ぱちん、と肌のぶつかりあう音がする。あいつは沙綾さんに激しく腰を震わせ打ち込んでいるのか。
「あ…な、なんで…あっ…名前…あっ…んっ。」
「さっき、友達が、っは…呼んでただろ…っ。」
「んんっ…あんっ、あぁんっ…あん…あん…。」
「沙綾…すげぇ…締まるね…真面目そうなくせに…エロい体だな…っはぁ…。」
「ひぁ…ぁっ…やぁっ…そんな…あん…あん…っ。」
沙綾さん！いやーーーっ！
何してるのよ！わたしのあいつと何してるのよ！
あいつはずっとわたしを触ってたのよ！
なのになんで。
今日の一瞬で沙綾さんはあいつをモノにしたわ。
ひどいよ。
許さない。
わたしはとっさに真ん中の個室に入り、水洗のタンクに足を掛けて奥の個室をのぞいた。
沙綾さんは壁に手をついて、オシリを突き出している格好だ。足元に、制服が脱ぎ散らかしてあった。
見知らぬ男が、ズボンもパンツもおろして沙綾さんの胸をつかみながら…沙綾さんに覆いかぶさっていた。
そしてリズミカルに沙綾さんを揺さ振って、沙綾さんはそれに合わせるように喘ぎ鳴いていた。
「あっ、あっ、あぁん！あん、あん、あんっ、あんっ、あんっ！」
「さ、沙綾…っ。はぁっ…、イクよ？いい？」
男の動きは早くなる。
トイレには二人の声と息と肌のぶつかる音が響く。
「あん、あんっ…んっぁ、あ、あ、あっ、はぁっ！イク、イク、っあぁああ…っんっ！！」
わたしは、沙綾さんが絶頂に達した瞬間…沙綾さんが顔をあげた瞬間をみのがさず、手にした携帯カメラで写真を撮った。
その後、また絡みだした二人を置いて、改札の駅員のところに向かった。
その日、学校に沙綾さんは現われなかった。
トイレでの痴態を駅員に見つかり、警察に連絡され…学校にバレたのだ。
わたしは沙綾さんにメールを作った。
『沙綾さん、見損ないました。沙綾さんが一緒に朝、行こうって言ってくれたの嬉しかった。なのに…こんな沙綾さん、ショックだよ。わたしを助けたかったんじゃなくて…痴漢に遭いたかったの？』
これに例の写真を添付して。
「そ〜うしんっ☆」
クラスのみんなにもこの写真を見せなきゃ。
匿名で送られてきたの！とかなんとか言えば、きっとみんな信じるわ。
そしてわたしは今日も何食わぬ顔で満員電車に乗る。
沙綾さんが消えたいま、あいつは私のところにきてくれるに違いないから。
きっと。
end