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夢魔
【ファンタジー 官能小説】

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夢魔-8

あたしは空腹に苛立ち、道に立っています。
「すいません」通りすがりの男に声をかけました。
≪だれでもいい≫ それは下を向いて歩く男でした。
「お嬢さんどうしました」
「なんでもないの。ほっといて」年寄りは嫌でした。
やりすごそうとしたのに、男は立ち止まります。
こんな中年を過ぎたうまくなさそうなやつにでも、あたしの下半身のうずきは止められませんでした。≪もう、こいつでいい≫
「グラグラ揺れるので支えていてくれませんか」庭に呼び入れ、樫の木に立てかけたはしごを持たせます。
はしごの上に上がると、スカートの中を存分に覗かせます。
「いい眺めですなお嬢さん」
「もっと見たい?」
「こんな俺でいいのかい、お嬢さん。それなら喜んでしてあげるよ」猫背のまま見上げてきます。
こんな男、何のたしにもならないような気がします。それでも無いよりましかもしれません
はしごの段を何段か外向きに降り、腰が男の前に来るようにするとスカートをめくります。
「君のような美しい人が俺なんかとでいいのかな」
確かにいくつも難点はありましたが、もう我慢ができません。
「こんな俺に何ができると思ってるのだね。俺には金も家族も、名前さえないのだよ」
「あたしにも財産はない、親もいない、名はあたしを苦しめるだけ。 あなたには男のものがついているの? それであたしを満足させることができるなら、何の問題があるというの」
頭に抱きついて下腹に抱え込みます。「今日だけ、今だけでいい、あたしの相手になって。こんなことするの、あたし初めてなの」
「それでいいのか。訳がありそうだね」その温かさに、あったことをしゃべってしまいます。
「君がスクブスだというのかい。そりゃ間違いだ」
男はエッチなところを触って、パンティーの中に手を入れました。
「ほら、君がスクブスなら、私にさせる前に自分から惑わせて襲っただろう」
「さあ、力を抜いて。怖くないよ。初めては痛いって言う人もいるけど、全然大丈夫だからね」
何が初めてなのか、誤解しているようですが、そのままにしておきました。どれも初めてのようなものです。
その後、あたしを横にして、上に乗ります。
男が入ってきました。そしてゆっくり動いてくれます。おかげで痛みは感じませんでした。
「それでいいんだよ」 表情を見たのでしょう。「そうしていれば。気持ちいいのがだんだん分かってくるようになる」
「どうすればいいの?」
「愛したいと思えばいい。愛してもらえていると思っていればいいんだ」
「わかった」
男は優しく。あたしを揺らしてくれました。
「君はスクブスだと言われてるのだね。かわいそうに」
触られるごとに少しずつ気持ちよさがわかってきます。
くすぐったさが時々、気持ちいいのかも、と思えるように変わっていきます。息が荒くなってきました。
あたしの方が腰を振り始めます。
男にしがみついて。何も考えずに。腰を振りまわして。緊張しきった糸が切れるように。下腹のモヤモヤが飛んでいきました。
足をつっぱり、おなかを痙攣させてそのあと脱力感にひたります。
男の小さなあえぎが。大きなうめきに変わっていきます。
そして男もイッたのが分かりました。
≪中に出しているの?≫ それくらい空腹が満たされません。
≪もっとないの、ウイッチのくせに≫ そう、抱かれたとたんにそれを感じたのです。
あたしは。男のそこにむしゃぶりついて。彼の残りを。なめとります。
それでも空腹感は収まりませんでした。ミズチの半分にもなりませんでした。
≪もっと私にふさわしい、高貴なマナを手に入れなければ≫
トア先生の言葉がよみがえってきます。『望めば望むほど、より多くが欲しくなります。手に入れれば入れるほどその価値は低く見えてくるのです。それとは逆に、それができる自分は偉大なのだと、最後は神をも超えるものだと感じるようになります』
その忠告は分かります。それでも自分をコントロールできないのです。
≪どうすればいい、どうすればこの飢餓感はおさまるの≫
我慢も限界になってきます。


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