①婿養子-1
結婚式は終わったが新婚旅行には行けなかった。
家業の運送業の運転手不足が原因だ。
家業と言っても新妻の父、田中茂が社長の小さな運送会社だ。
湊は学生時代がらアルバイトで４トントラックの運転手をしていた。
そして社長の娘、結衣と恋に落ちた。
大学を卒業したが就職先が見つからずこの田中運輸に頼った。
２５歳になって大型免許の取得を機にプロポーズしたのだ。
婿養子になるのを条件に婚約が成立した。
結衣は美人で気立ての優しい子だ。
結婚してからも夫に従順で家庭を憩いの場に変えてくれる。
しかし高校卒業してからは家業の手伝いでトラックに乗る事もあるアクティブな面も兼ね備えている。
いわゆる理想の妻と言えた。
結婚式の翌日だと言うのに湊も結衣も配送にかりだされた。
「湊君すまんな。わしも今から岡山まで走らにゃならんのだ。求人は毎日しているのだが今は上手くいかんな。
そのうちに新婚旅行に行けるようにするからもう少し我慢してくれ。」
社長は会社の３階を新居として無償で提供してくれているので文句は言えなかった。
それに結婚式が出来るように多額の祝い金を貰っていたからなおさらだ。
「社長。大丈夫ですよ。今は結婚式も上げないカップルが多いですから新婚旅行に行けなくても何の問題もないです。」
２階は両親の自宅で１階が事務所だ。
この事務所は義母の佳乃が仕切っている。
義父の茂は５０歳でまだ現役運転手兼代表者だ。
義母の佳乃も娘の結衣に負けないほどの美人だ。
ただ娘は可愛い感じだが母は妖艶な感じがする。
その名の通り女優の木村佳乃を色っぽくした感じだ。
４２歳だが３０歳でも通る位の若さに見える。妖艶で爽やかなのだ。
若夫婦の食事は両親のキッチンで一緒に頂くので毎日顔を合わす事になる。
婚約時代からの事なので今は変な緊張感はない。
両親も実の息子のように扱ってくれる。
「湊君もし飲めるんだったら晩酌に付き合ってくれないか？」
「はい。弱いんですけどお付き合いさせて頂きます。」
驚いた事に結衣も佳乃もよく飲みよく食べた。
しかし血筋なのか二人ともスリムな身体を維持している。
結衣はスリムでありながら脱がした時の肉付きは湊の好みだ。
巨乳とは言えないがDカップで好みのサイズだ。
ヒップも豊満で８５ｃｍだそうだ。
でも後背騎乗位での腰のグラインドの迫力を見た時はゆうに９０ｃｍこえている様に思えた。
お義母さんはどうなんだろうか？そんな目で見ると胸も尻も娘より立派だ。
そんな夢想をしている時お義父さんの声で我に返る。
「湊君。この後ちょっと付き合ってくれないか？
行きつけのラウンジから独立した子がスナックやってるんだ。」「え～今時スナックですか？」
「最近は密かにスナックが見直されているらしいよ。それに歩いて行ける距離なのが気に入ってよく行くんだ。」
「いらっしゃい。田中社長二人ずれは珍しいですね。」
「ああ、娘婿だ。とりあえずビールを抜いてもらおうか。」
「誠実そうな方でよかったですね。」
「湊君、飲めないと言いながら結構飲むじゃないか。わしブランデーの水割りに切り替えるけど君もそれでいいかい？」
「はい。お任せします。」
「社長。ブランデーのボトルが空になりましたので１本おろしてもいいですか？判りました。ありがとうございます。」
「ところで湊君、娘との相性はどうなんだ？」
「僕は愛していますし結衣も優しくしてくれます。二人でいる事が楽しいので相性はいいと思います。」
「そんなこと聞いてないよ。セックスの相性はいいか？って聞いているんだ。」酔い始めている様だ。
「そっちの方もバッチリです。」
「そうかそうか。それなら孫の顔を見るのもそう遠くはないな。」
ママがクスッと笑って喋り出した。
「社長が酔った時の口癖は『俺、妻との相性が凄くよくて今でも週２回は欠かしてないよ。』なのよ。」
「おいおい。そんな事婿に教えるなよ。」
「へ～お父さん凄いんですね。それじゃ２５歳の僕と変わらないですよ。」
「いやいや、妻がセクシーな身体つきをしているので迫られたらこっちもその気になっちゃうんだ。」
「社長エッチな話はそれぐらいにして歌いましょうか。分かっています。
サザンの愛しのエリー入ります｡お婿さんも何か歌いましょうか？」
「いえ僕はカラオケ駄目なんです。」
「何を言っとる。カラオケも歌えん様じゃ営業は任せられんぞ。腹をくくって歌いなさい。」
「仕方ないですね。じゃ菅田将暉の虹をお願いします。」
「ごめんなさいね。社長酔うといつもワンマンになるのよ。」
それ以後湊はほとんど飲んでないが社長のピッチは速い。