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女子中学生 入試面接の恥辱〜続『恥ずかしの高校ミスコン』〜
【学園物 官能小説】

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春・十・五・歳-2

 4月。
 満開の桜が彩る和天高校の入学式に、園原紗雪はいた。

 迷いに迷いはしたが、研究者を目指す夢は捨てられない。ここまで娘のために懸命に働いてきた母を楽にしたい。彼女の将来のためにずっとサポートを惜しまなかった山竹先生の思いを無駄にはできない。他の先生も友達も合格を祝福するなかで、入学を辞退するために理由を取り繕うような真似はできそうもない。いろいろ葛藤はあったものの、結局は彼女は入学を決意した。

 以前にオープンキャンパスでその一端を経験した通り、確かに学校の雰囲気は明るく活気に満ちていた。とはいえ、あんなことを経て入学した以上、本当に楽しい学園生活を送れるのだろうか……それは気がかりで仕方がない。

 郷里を遠く離れて進学した高校だから、元からの知り合いは誰もいない。ちゃんと友達をつくれるだろうか。今日から始まる寮生活が、どんなものになるだろうか。そんな新入生として「普通の」不安に駆られている余裕すら、彼女にはなかった。

「園原さん……ですよね?」
 式を終えて、配属されたクラスの教室に入ろうというところで、紗雪は声をかけられた。

「平見さん……入試の時に一緒でしたね」
 振り向くと、それは忘れもしない、平見理真だった。
 とはいえ、それ以上のことは、お互いに話には出せなかった。「入試の時」と口に出したばかりに、理真にはあの日のことを思い出させ、自身にも忌まわしい記憶を呼び起こしてしまったようで、紗雪は言った瞬間に後悔したくらいだ。理真も何か気が引けている様子だ。

 彼女もまた、合格を決めても入るかどうかは迷ったに違いない。紗雪はそう思いをめぐらせていた。自身は先に退出していたから、あの後に理真が何をされたかも知らない。ここでわざわざ尋ねるのも憚られた。

 互いにそれ以上は無言のまま教室に入った。彼女らが所属するのは今年から新設されたという特進クラスの1年S組だ。Sとは言うまでもなくスペシャルの意味で、生徒数18名の少数精鋭。人数からして一般入試で入った生徒もいるはずだ。
 数えると、男女比は4対14と大幅に偏っている。推薦入試の受験に来ていたのが女の子ばかりだったことを思えばさもありなんだ。

 新しいクラスメートたちの中に、久保田奈々美の姿はなかった。あの恥ずかしい入試面接をともに受けたもう一人だ。
 彼女は落ちたのだろうか。それとも、合格はしたが入学を辞退したのか。あの子は熱烈に和天に入りたがっていたのに……。そんなことも紗雪には気にかかった。

 入学式の日は当然授業はなく、生徒たちの互いの自己紹介と簡単なガイダンスだけで終わった。そして放課後、紗雪は理事長室に呼ばれていた。
 あの三田村理事長のこと、また何をされるのかを思うと気が重かったが、入学したからには、そして特待生としての待遇を約束されたからには、もう拒絶する選択肢は無かった。

 指定の時間に合わせて理事長室に向かうエレベーターで、今日出会ったばかりのS組のクラスメート2人と乗り合わせた。一方は長身でスポーティな感じのポニテの子、もう一方は背丈は紗雪と同じく平均ぐらいの三つ編みメガネの子で、どちらもかなり可愛い。

「園原さん……でしたっけ?」
 それぞれ宮島靖美と、迫井里絵子。まだ全体での自己紹介で名乗り合っただけで直接話をする機会もなく、互いに名前も覚えきれていないので、確認しあった。2人とも理事長から呼び出しを受けているとのことだ。彼女らもやはり紗雪同様、不安の色を隠せていない。互いに顔を見合わせもしたが、何か話をする前に理事長室のある5階に着いた。

 エレベーターを降りると入試の時にもいろいろあった生活指導担当教師の土屋が待っており、促されるままにともかくも3人は入室した。


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