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奔放
【青春 恋愛小説】

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奔放 3-2

「塚田が笑うと違和感あるんだろうなー。見てみたい」

俺の目の前で肘をついてにっこりと笑う高橋。向けられるのはいつもあんな風にまっすぐな目だった。惹き込まれる。


・・・会えるだろうか。



軽井沢駅に降り立ってから、警察署の場所を聞いてから案内されたとおりに足を進めた。
ひんやりとした空気が頬を撫でる。風の音。緑のにおい。虫の声。とんでもないところに来てしまった気がしていた。時間はすでに21時をとうに回っていた。あと2時間早ければ点いていたはずの店の明かりを思いながら目の前に続く道に自分の足跡をつけた。


ほどなく、家屋と詰所が同じ敷地にある駐在所が視界の端に現れた。月明かりに照らされた小さな詰所。前に立ってごくりと喉を鳴らした。軽い緊張が体温を上げる。


親戚とは叔母にあたる人だと聞いていた、ひょっとして父方ならば彼女と同じ高橋姓なのではないかと思い扉にゆっくりと手をかける。木の扉はからからと間の抜けた音を立てて負荷と同じ速度で開いていった。


インターホンという表現より呼び鈴という表現の方が妥当だと思うもので警官を呼び出して伺いを立てた。





旧軽井沢の中の別荘地に高橋家は存在するらしい。別荘で生活しているということなのだろうか?

頭の中に様々な問いが立ったが、今の自分が持つ手札では解明できないので先に進むことにしてまた歩きはじめる。





夜道を歩きながら、確信していた。彼女はここにいる。


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