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カルト教団
【ファンタジー 官能小説】

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カルト教-2

その者はカザミという名の、成人を過ぎた娘だった。
両親を亡くし、妹を保護するのに疲れ果てて、この教会に救いを求めてやってきた。
今はほつれた髪を黒いゴムで止め、猫背で立っている。
野暮ったい服の下から伸びる手足は細く優しい曲線で、よく引き締まった体を想像させた。
背も高く、自信を持って立てば女神のように輝くこともできるのに、今は見る影もない。
この女は生きることに疲れていた。
もっと『生』を注入してやらなければならないのはひと目でわかる。
信者達からかすかな溜め息が漏れる。その目が、≪早く脱がせてください≫と言っているのがわかる。
いつもなら当番信者の全員で参拝者の肌を眺め確認した後、誰かがこの女を抱くことができる。
≪これは逸材かもしれない≫ 参拝者の中で、これぞというものはスカウトする。いい女がいれば、それだけで男は寄って来るのだ。
「いろいろと悩ましいことがあるのですね。どうですゆっくり話しませんか」当番信者に合図を送り、横によけさせた。
信者達から、かすかな溜め息が漏れる。今度は自分たちのものにならなかった落胆のため息だ。そしてこんな女を手に入れるために、早く上の階級に上がり幹部となることをひそかに決意する。

「新規入会者には、宗教的実践のひとつとして、一対一で精神を取り扱う、教祖様のカウンセリングがあるんですよ」教団のナンバー2である青い長衣を着たドウツが仮入会を勧めた。
「どうしよう、私は入信をしに来たのではないんです」
「そうでしょうとも、だが精神的なものは、肉体的な怪我などとは違い時間がかかることが多いのです。
我が教団は、入り続けることを強制するところではありません。短期の仮入会コースもあるのです。そちらでしばらく様子を見てみませんか。もし効果があるなら癒えるまでいればいい、ないと判断するならその時点でやめればいいのです」
そうやって入信した者はたくさんいる。
信者には階級がある。いちばん上は、教祖である私しか着ることの許されない群青。
その下の幹部の青。水色、草色、黄色、初心者の白まで、それぞれがその色の、シンプルなトーガのような長衣をきていた。
神の導きのもと、カザミは仮入会することとなった。長衣が白なので、白信者と呼ばれることになる。
まあ、『仮』とは外見上のもので、一度入ってしまえば、叩き出す者はいるが、出た者はいない。
水信者の案内で身を清めさせる。世俗のものをすべて捨て、沐浴するのだ。
教団唯一のウイッチである私は飛ぶことができる。
『飛ぶ』と言っても体が飛ぶわけではない。
やってごらんなさい。目をつぶって、今いる部屋の中を想像してみるのです。細かいところまで正確に見れるようになったら、その映像を部屋の外までも伸ばしていく。
修行を積めば見たことのない所でも、正確に見えるようになっていくのです。ただし、部屋の中くらいならいい、外を飛ぶのは危険もある。
それを『意識体を飛ばす』とか、ただ『飛ぶ』と言う。
意識だけが移動するのだ。行った先は、自分には見えるが、相手が手慣れたウイッチでなければ、いる事を悟られることもない。
風呂場へ意識を飛ばした。


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