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みにくいツラのぼく
【その他 官能小説】

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大型連休のさなかに-1


    ▽

 その部屋の天井には、すごく大きな鏡が取りつけられていました。

 その真ん中に、ベッドのうえで真っ裸になってあお向けに寝るぼくが映っています。

 ぼくは、そのへんてこでみにくい顔から目をそらしました。すると真横の壁に取りつけられたいくつもの鏡に、そんな顔が少しずつ角度をかえて映るんです。
 あわてて反対側の壁を見ると、そっちにも合わせ鏡にならないように違う角度をつけた鏡がいくつも取りつけられ、ぼくの顔がそれぞれに映ってます。

 (何やねん、この部屋は……)
 そこは風俗のお店。大型連休の真っ最中に、ぼくはこんな所に連れて来られました。
 「こら、」ぼくの前に、真っ裸の女のひとがあらわれました。「何キョロキョロしとるの?」
 そのひとは、さっきぼくをこの部屋に案内してくれたお姉さんでした。
 さっき初めて会ったばかりのひとが、全裸でぼくのかたわらにいる。風俗のお店ってこんな感じなのか、と思いました。

 「顔が映るんが気になるのん?」そういうお姉さんにうなづくと、お姉さんは「ほな、私の顔とハダカだけ見とったらええわ。」と、ぼくの上に身体を寄せてきました。
 お姉さんは、自分にお姉さんがいたらこんな女性なのかな、と思わせる年ごろと顔立ちでした。
 ぼくが手を落ち着かなくモゾモゾさせてると、その手をとっておっぱいやおへその下にもっていって、そこを触らせてくれるんです。初めて触れる女のひとのエッチな感触に夢中になってると、
 「ええ子、ええ子。ちゃんと触りかた覚えとくんやで。」と頭をなでてくれるのでした。

    ………

 どうしてk校二年のぼくが、風俗のお店に足をふみいれることになったのか、
 それは大型連休の真っ最中に、ぼくが近所のコンビニへ昼食を買いにいったことからでした。

 「あれ、」コンビニの前で、ぼくは親類のおっちゃんに出会いました。「ミッくん、きみ『本拠』へ行かへんかったん?」

 ぼくの親類縁者たちは、大型連休と夏休みに『本拠』と呼ばれる家に集まる習慣があります。
 本拠のまわりに娯楽の拠点がいろいろあるため、自然とみんな集まってくるのですが、去年の大型連休からぼくは変な理由をつけて家でるすばんしていました。

 「うん……」ぼくは、このおっちゃんならホントの理由を言ってもいいかと思いました。「このごろ、女の人らがみんな、お兄ちゃんらに集まるようになってもて……」

 「そうやなぁ……」おっちゃんは言いました。「きみのお兄ちゃん、二人ともイケメンやから……って、そんな意味やないねんけどな。」

 そう言うとおっちゃんはぼくの手を引いて、自分の車に乗せました。

 「別に用事ないんやろ?ちょっとエエ所行こうや。」
 そう言っておっちゃんが連れてきたのが、風俗のお店でした。
 「おっちゃん、」ぼくは驚きました。「ぼく、まだこんな所……」
 おっちゃんはぼくにささやきました。
 「ここ、オレのツレがやっとる店やから。オレが保護者になるからきみでも入れるねん。」

 (ホンマかいな……)と戸惑うばかりのぼくの前にあらわれたのがお姉さんでした。
 お姉さんはぼくを見ると「よし!」と言ってぼくの手を握って部屋に連れていきました。

 (さすがにプロだな……)ぼくは思いました。(ぼくみたいなへんてこな顔の奴と初めて会ったのに、手をつないでくれるなんて。)

 


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