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LOOSE
【その他 官能小説】

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LOOSEV〜FINAL〜-4

『…こ…れ』
菜々子は包みの中を唖然として見つめた。
広げてみると黒地に金の刺繍がほどこされたそれは菜々子が選んだ生地でできたワンピースだった。
「誕生日プレゼント。お前のために作ったんだ。」

―…誕生日…プレゼント…

想像もしていなかった悠からの突然の贈り物に泣きそうになる。
「ナナがやめたいって言っても、俺はお前とずっと一緒にいたい。離れるなんて考えたくない。俺にとってお前は他の女なんか比べもんになんない位特別な存在だから…。」
相変わらず真っ直ぐ、強く菜々子を見据える悠の瞳が、悠の発する言葉が嘘でも冗談でもない事を物語っていた。

「…お前が好きだ。」

これは夢を見ているんだろうか?
願い続けた甘い幻想を見ているんだろうか?
視界が白くぼやけて涙が頬を伝った。

次の瞬間。
抱きしめられ悠の腕の中に私はいた。
全ての時がゆっくりとスローモーションのように柔らかく2人を包んだように感じた。
「…好きだよ。俺のそばにずっといて。」
力強い悠の腕にきつく抱きしめられた菜々子の目からは涙がとめどなく溢れ出していた。

願い続けた言葉がここにある。
切望した現実がここにいる。
これは夢なんかじゃない。
この腕のぬくもりは私が知っているぬくもりだ。
…―私は確かに悠の腕の中にいる。
『…ゆぅ…っ…私も…離れたくないっ…すきなっ…の!』
溢れ出した感情を初めて口にした。もう堪える事も意地を張る事もしなくていいんだ。
見上げた菜々子の唇と悠の唇が自然と重なり合う。
甘く、熱くとろけそうなキス。
このまま溶けてなくなってしまっても構わないと本気で思った。
「ずっと一緒にいてくれるか?」
『うん…悠しかいらない。』
「俺も。ナナ以外何もいらない。」

どちらからとも無く、唇と唇を交わしあう。
優しく重ね合わせ、離れたくないと手を絡み合わせる。
今まで何度も体を重ね合わせてきたのに、悠の体温はこんなに温かく、心地いいものなんだと知った。

悠の唇と指先が菜々子の体中を愛しく撫でる。
『…ぁっ…ゆぅ…』
首筋から降りてきた唇が優しく胸を愛でて、包み込む。
菜々子の感じる全てを刺激され、自分でもわかる位に濡れているのがわかった。

静まり返った暗闇の中、むせ返る程の甘い二人の熱気と水音と息遣い。

「ナナ…入れてイイ…?」
『うん…悠きて…』
悠の欲望が菜々子の濡れぼそっている部分にゆっくりと入っていく。
『…んっ……はぁっ』
「…っ…ナナ…」

悠の息遣いが耳元に聞こえる。
悠の手が私の髪を優しく撫でる。
悠の優しい瞳が私を捉らえる。
悠が私の名前を愛おしそうに呼ぶ。
愛しい人とのSexがこんなに気持ちいい事を何で今まで気付かなかったんだろう?
全ての事に胸がいっぱいになって涙が込み上げてきた。
「…何で泣いてんの」
悠が優しく菜々子の頬を手のひらで包み込む。菜々子もそっと手を重ね、微笑んだ。
『嬉しいから…』
「…ばーか…―…俺もだょ。」
『ゆぅ…』
きつく抱きしめ合い体中にキスを浴びて悠の印が咲き誇る。
こんなにも満たされる事なんて今までにあっただろうか?

パンパンパン…ッ

リズミカルな音が激しくなると共に二人の感情もだんだんと高まっていく。
『ゆぅ…っ一緒に…』
「うん…っ…」
『…やっ…イっちゃぅっ』
「……ッ…イクッ」

熱いほとばしりを感じ、悠の切ない顔に優しくキスをした。

窓から見える秋の月は二人を静かに見守るように淡く優しく私達を照らし続ける。

「…愛してるょ」
悠の囁きを微かに聞きながら、悠の腕の中で菜々子は静かに目を閉じた。こんなにも愛しい人に出逢えた事全てに…感謝して…―



Fin.


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