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魔女の住む館
【ファンタジー 官能小説】

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魔女の住む館-13

でも私は動けませんでした。美しい体が軽やかに上にのってきます。そっと胸にキスをしてきました。
「やめなさい」なのに、もっと触って、はやく入れてと、乳房が揺れ、腰が揺れます。
そもそもこいつに女を抱いて、喜ばそうという考えは、これっぽっちもありません。喜ばすのは、その後の苦しみをより大きくするためです。
執事長が慌てて入ってきました。「ご主人がお呼びです」
「わたし、気分がすぐれませんの」縛られているところを見せます。「行けません」
御主人様に直接言われたことは命令となってしまいます。しかし、執事長の言葉は、単なる執事長のお願いです。
「ご主人に放り出されて満たされないんですよ。君が直して差し上げなさい。何、気分良くさせてあげればいいんです」ベールが執事長の後ろに立ち、ささやきます。
そしてズボンを下ろさせると、軽く押します。「女が満足してから、縄を解いてやればいいんですよ」
うつろな目をした執事長が近づいてきて、私を抱きしめます。
「彼に満足させてもらいなさい」
「惑わしたのね」
「いいえ、もっと高級ですよ。試してごらんなさい、あなたが止めようとしても効きませんから」笑いました。
「おまえが主人としているところを何度も見ていた。触らせてもらえなかった」
執事長は私の乳房をなで、花園にふれていきます。
その交わりは、犯されているとはいえ、私を釣り鐘草のように扱ってくれました。
蜜蜂が付け根に小さく勃起するめしべへ止まると、優しくゆすります。釣り鐘が小さく鳴りました。
それが心地よくてびっくりします。胸の先がきゅっと固くなって痛くなります。勝手に腰が揺れて催促してしまいました。
≪私の中に入ってください、そして蜜をいっぱい吸ってください≫足を開き受け容れます。
生まれて初めての私からの誘いでした。
そこへ挿入され、「もっとおくれ」とこすられて、その振動に花はきしみ、声をあげます。私の蜜は惜しげもなくあふれ出てきました。
そして、彼からの贈り物を注ぎ込まれました。
その温かいほとばしりを感じ、しがみ付きたくて身もだえます。「もっとぅ」
彼は動かし続けてくれました。
わたしがうごかなくなってから、体を離し、夢から醒めたように、
「私が、そんなはずはない」言いながら、縄を解いてくれました。
「まちがいなくあなたのものよ」股の白濁したものをぬぐい、私は受精したことを確信しました。
≪それで構わない≫
ベールは面白そうに見ています。
次の日、あなたがいらっしゃいました。―――――

「しばらく考えさせてください」 私は眉間にしわを寄せ。目をつぶると。問題がはっきり。見えてくるまで。じっくりと考えた。
こういう言葉のロジックは、言葉の使い方ひとつ、捉え方ひとつで意味が変わってしまうことがある。魔の考えそうなことを想像していった。
「まず、おまえが魔を呼び出した時のことだ」メモを見る。
「そう、おまえはこう言った。

『ヒナをこんな目に合わせた者を許せない。私が殺したいくらいだ』
つまり、殺せとは言っていない。

『奥方とその系図をこの世から消せ。
その見返りは。
お前が対処すべき、この屋敷の中のすべてをやろう』
ここでは魔が行うことと、範囲と、供物を限定した。

ただし、おまえは私と私の子の命はとってはいけない』
禁止事項を追加した。ように見えるが、魔が直接手を下さない場合は殺せてしまう。
例えば子どもに毒の入った食べ物を母さんにあげてもいいんだよと言って渡した場合だ。
おまえの使った手法だ。魔にそう考えろと言ったのはおまえだ。

次に主人に呼ばれて、疑われた時だ。
『正確に答えろ。奥様を殺したのは私か』 魔にたずねた。
もちろん、おまえは、殺してはいない。

『では命じる。奥方を殺した者を殺せ』 殺したのは魔だ。だが、者、とは人の事を指す。
魔は人ではないから、『いなければどうする』と返答した。

『殺せと言った者がいるはずだ、この州を回ってでも探してこい』
殺せ、と言った者がいるのかいないのか、時間をかけて州を回って確認するしかない。ただし探すだけだ。時間稼ぎだな。
さてと、これで終わるはずだった。
なのに、悪賢い魔は巧みに主人を誘導して、おまえをいけにえに差し出させた。
これでお前のことも喰えるようになったのだ。
しかし魔はおまえを殺せない。だから、代わりにいちばん気を許すヒナをつかって、飴に仕込んだ毒を飲まそうとしたのだ。
もちろん「食べろ」とは言えない。 「あげろ」とでも言ったんだろう。毒を渡すことは毒を飲ますことではないからな。
魔にとって一番うまみのあるのはおまえたち親子だ。
おまえは『私の子の命はとってはいけない』と言ったが、ヒナは主人の子と判断することもできる」
「そんなことは言ってないわ」ルキナは血を吐く。
「魔はできるだけ自分の都合がいいように動く。だがおまえは自分から言葉通りではなく裏の解釈をしろと命じていた。それがあだとなったのだ。
言葉通りでも気をつけないと足元をすくわれるんだ。正確な表現と範囲は難しい、副作用で何かをさせるには、相当の研究が必要なのだよ」
「ヒナを‥」 後は聞こえなかった。
≪私にまで、言葉にされない意味をくみ取って動けというのか≫
ルキナは深いため息をつくように息を引き取った。
毒の苦しみから逃れさせられただけ、よかったかもしれない。
ここには、親殺しに関わった子どもだけがひとり残った。


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